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Logo Mark脳内伝言板創作のアイデアはどこから来るのか

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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創作のアイデアはどこから来るのかとよくきかれる。

私の師匠は森の中だったり海の中だったり山だったり川だったり動物だったり宇宙だったりする。自然界のなかに身を置くと本当に少しづつだが見えてくることや、感じ取れることがある。そういった摂理みたいなものを一度感じとれると、様々な事柄に応用することが出来るようになる。
自然と一体に、宇宙と一体に、そんな風に言うと大それたなどと言われてしまうかもしれないが、私の考えからすれば宇宙と一体でないと思うほうが大それた考え方ではないかと思ってしまう。先日、私の個展に画家になりたいという若者が来てくれた。しばらく話した後、最後に一つ聞いてもいいですかといわれた。彼は「白砂さんにとって宇宙ってなんですか?」と聞いてきた。その問いに私は、「宇宙とは自分自身みたいな感じかなぁ」と答えたんだけれど。正直これまで宇宙とかって、確かに好きなワードだけれども、こんなシンプルな、「私にとっての宇宙は何か」なんて考えたことがなかったので、目からうろこの質問だった。またそう聞かれたことで再認識することが出来た貴重な出会いだったんだと思う。感謝。この出会いも面白く、この時の展覧会の会場は画材屋さんの中に9mx5mくらいのギャラリーが1F、2Fにあるという会場なので、画材を買いに来た人がついでに見てくれるということが結構ある。そういう環境なので、誰の展示かなんて知らないで入ってくる人も多々いる。その彼もそんな中の一人であった。色々と話しをしていく中で、私の作品冊子を見た瞬間に、「あっ白砂さんですか?」と…。私の作品の冊子を、彼の同級生の親戚の彫刻家の家で見たという。その彫刻家の名前をきいてびっくりした。それは伊豆にお住いの有名な彫刻家重岡さんだった。しかもありがたいことに、この人面白いから見れたら作品見たほうがいいと勧められていたとのこと。こんなところでこんな形で繋がることに本当に驚かされる。人生ってやっぱり面白い。

また話がそれてしまったが、物理的にも私が死んで焼かれて灰になり、体は原子レベルに分解されるわけなんで、きっとそのうち大地にかえり、そこに何らかの意識があるのかないのかはわからないが、はたから見れば宇宙に溶け込んだように見えるだろう。そう考えれば今生きているこの瞬間も宇宙の一部なわけで、私もあなたも同じなわけで、君も空を飛ぶ鳥も同じなわけで…。そんな風に考えると許せることも多くなり、少し豊かになるのかもしれないと思っている。

現状生きていると、とにかく必要以上に力が入ってしまう。それはいろいろなことを考えてしまうからなのかな。いつ何時も、脱力(自然体で)して、思うがままに生きて見たいものである。例えば必要最低限な力で演奏したり、創作したり、ということである。私の場合、そういう中から生まれてくるものに美を感じてしまうことが多い。私自身もそういった感覚で制作したいと常日頃思っている。

アトリエで制作している時は、頭の中がキラキラしたり、胸がドキドキしたり、意識はあるけれど無意識みたいな感じだったりする。車の運転に慣れてくるとあまり考えなくても危険を察知したり、アクセルを踏んだだけでどこか調子悪いことを感じたりするようになると思うのだけれど、そういった無意識で集中しているような状態のときに、不思議と運転とは全然関係ないアイデアが浮かんできたりすることが多い。私は座禅や瞑想をしたことがないので、なんとも言えないが、車の運転て一種の瞑想状態になりやすいのかなぁと思っている。私は、創作している時もそういった感覚に少し近い感じになることが多いように思う。

結局創作のアイデアはどこから来るのか? 結論から言うと、経験から来ることが多い。ただそれは、「いつでも来るのかもしれないけれど、いつくるかは、わからない」といったところなのか。ただ創作中に新しいアイデアが連鎖的にやってくることの割合がかなり多いので、私は暇さえあればアトリエで何かやっている。閃いた瞬間はなんだか気持ちいいし、これまでの活動を振り返ると、それが未来を切り開く力になることがある。

                  おしまい

メイン写真は ホシノタマゴ です。

グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜

グランシップ誰もがWonderfulアートは障害の有無を超え誰もが持つ豊かな感性や個性を認め合うきっかけの場となることを願い開催されているイベントです。
元々NHKのハートフルアートの流れから生まれたイベントで数年ほど前から静岡市のグランシップで開催しています。

【イベント名】グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜
【期間】2023年8月26日(土)〜9月10日(日)
【時間】10:00〜17:00 (入場は16:30まで)
【場所】グランシップ6F展示ギャラリー/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
【住所】グランシップ/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
    422-8019静岡県 静岡市 駿河区東静岡二丁目3番1号
    JR東海道線 東静岡駅 南口出てすぐ
【主催】公益財団法人静岡県文化財団

★鑑賞ツアー:2023年8月26日(土)(1)11:00〜/(2)13:30〜(40分程度)参加費無料※事前申込制
★白砂勝敏ライブパフォーマンス はこぶねおんがくかい:2023年9月3日(日)14:00から(1時間ほど)参加費1名500円※事前申込制

お問合せ:グランシップチケットセンター TEL054−289-9000


以下のリンクからグランシップイベントの詳細をご覧いただけます。
グランシップ誰もがWonderfulアート
※こちらのページ内の「PDF」リンクからチラシを印刷いただけます。どうぞご利用ください。

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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