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Logo Mark脳内伝言板日本みつばちがかわいくて仕方ない2

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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田舎で暮らしていると、猫や鶏やヤギなんか飼ってみたくなるのだけれど、美術家という仕事は長い時で1カ月以上家を空けることがあるので、生き物を飼うことが難しい。だからこれまで何かを飼うことはなかったのだが、ついに私の生活スタイルでも飼うことができる生き物に遭遇した。まさか昆虫をしかも数千~数万匹も飼うことになるとは夢にも思わなかったけど。ただ、一年程飼ってみて不思議に思うのだが、日本みつばちは、私の中では昆虫という認識はなく、犬や猫や魚を飼っているのとあまり変わらない感じがしている。

西洋ミツバチは飼ったことがないのでわからないが、日本みつばちは本当に大人しく普通にしていればまず刺されることはない。現に毎日のように巣の目の前で観察していても刺されたことはない。巣箱を開けるときなどは、さすがに簡単な防護服と皮手袋はしているが。

またみつばちの生態についてもかなり面白い。みつばちは働きバチはすべてメスで、ほんの数パーセントの割合でオスが生まれる。オスは少し体が大きくて黒い(女王バチだけはメスでも黒い)。しかもオスは交尾以外は全く働かないらしい。ミツバチの針は産卵管が進化してできたものらしいので、オスにはそもそも産卵管がないので針もないので刺すことはできない。交尾すると死んでしまうらしいが、交尾できないオスのほうが多いのではないかと思う。そして産卵期が過ぎると群れから追い出されてしまうらしい。厳し~。
働きバチの寿命は大体1カ月~3カ月くらい。春~秋の忙しい時期ほど寿命は短い。働きバチは生まれたばかりのものは内勤バチといい、巣から出ないで幼虫たちの世話をする。暑いときは幼虫に羽で風をおくったり、餌をあたえたりしている。ハイシーズンは一日1000個以上の卵を産むこともあるようなので女王バチが強ければすごい勢いで群れは拡張していく。そうやって年をとっていったハチは外勤バチとなり外に出て餌をとりに行ったり、パトロールをしたりしている。もちろん外に出るということは自分が捕食される可能性など危険がいっぱいなのである。先輩が体を張るという自然界での種の生存形態になんだかグッとくる。

女王バチについて。
これもなんか不思議な生態で、働きバチと女王バチは卵の時は同じ卵で、巣の先端付近に王台とよばれる他より少し大きな巣房が作られるんだけれど、そこに産み付けられた卵から孵った幼虫にはローヤルゼリーを与える。ミツバチにはローヤルゼリーなるものを作り出す器官があって、通常の働きバチには花粉などを与え、女王のみローヤルゼリーを与える。すると体は働きバチよりも大きくなり、寿命は3年~4年位になり、ハイシーズンには一日1000個以上の卵を産めるようになる。これ凄くないですか。やはり食事が命を作っているということか。

ミツバチのいる生活からは学ぶことが多い。社会的にどう役立つのかはわからないけれど、多分これはこれで独自の感性が身についていくことを感じる。ものづくりにはこういった目には見えない感性を育むことの大切さを、私は未熟ながらも理解しているつもりである。ミツバチさんありがとうと言いたい。

続く

写真はみつばちの巣箱の中の様子です。

日本みつばちがかわいくて仕方ない
日本みつばちがかわいくて仕方ない2
日本みつばちがかわいくて仕方ない3
日本みつばちがかわいくて仕方ない4
日本みつばちがかわいくて仕方ない5
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない 虫の道
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない スズメバチの猛襲

グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜

グランシップ誰もがWonderfulアートは障害の有無を超え誰もが持つ豊かな感性や個性を認め合うきっかけの場となることを願い開催されているイベントです。
元々NHKのハートフルアートの流れから生まれたイベントで数年ほど前から静岡市のグランシップで開催しています。

【イベント名】グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜
【期間】2023年8月26日(土)〜9月10日(日)
【時間】10:00〜17:00 (入場は16:30まで)
【場所】グランシップ6F展示ギャラリー/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
【住所】グランシップ/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
    422-8019静岡県 静岡市 駿河区東静岡二丁目3番1号
    JR東海道線 東静岡駅 南口出てすぐ
【主催】公益財団法人静岡県文化財団

★鑑賞ツアー:2023年8月26日(土)(1)11:00〜/(2)13:30〜(40分程度)参加費無料※事前申込制
★白砂勝敏ライブパフォーマンス はこぶねおんがくかい:2023年9月3日(日)14:00から(1時間ほど)参加費1名500円※事前申込制

お問合せ:グランシップチケットセンター TEL054−289-9000


以下のリンクからグランシップイベントの詳細をご覧いただけます。
グランシップ誰もがWonderfulアート
※こちらのページ内の「PDF」リンクからチラシを印刷いただけます。どうぞご利用ください。

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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