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Logo Mark脳内伝言板続・日本みつばちがかわいくて仕方ない 虫の道

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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夏も終わりそうなある日の昼間、庭の地面付近に数十匹くらいの集団でいるみつばちを見つけた。よくみると地面を女王バチが歩いている。50匹くらいのみつばちが飛んでいるので、分蜂中にはぐれたのではないかと思い辺りを探索してみたが他の蜂は見つからなかったので、知識のない私には、こんなに少数での分蜂もあるのかなぁと思うしかなかった。なにかいきさつがあってのことなのだろうが、自然界の不思議を感じる。とりあえず女王バチを空いている巣箱まで運んで中に入れてみた。しばらくすると箱から出てきて巣箱の入り口にじっとしている。この時働きバチは数十匹ぐらいが周りにいる感じだった。もしこのまま巣箱に入ってくれたとしても冬に向けて生き抜くことはかなり難しいだろうなぁと思いながらそのままにしておいたのだが、翌日にはいなくなっていた。どこかで生き残ってくれたらいいなぁと思う。

10月になると今年は温暖なせいもあって去年に比べかなり多くのスズメバチがみつばちを襲いにやってきた。ニュースでも各地でスズメバチの被害報告が放送されている。ほんの少しの温度変化でも生態系には大きな影響をもたらすことを肌で感じる。今年は熊のニュースも毎日のように流れていたなぁ。こんな事は今までにはなかったように思う。熊は蜂蜜が好きなので山間部での養蜂はかなり密接な関係にある。ただお陰様で家の周辺は熊の心配はこれまではほとんどないのだが、今年は近所でも目撃情報があったので、ちょっと怖いなぁと思ったが何もなく過ごすことが出来た。良かった〜。

千葉に住む作家さんで日本みつばちを飼育している知り合いがいて、毎年一緒の展覧会でお会いする。今年はみつばちについて、色々とお話を聞くことができたのだけれど、一番驚いたのは夏に分蜂するのは見たことないと言っていたことだ。やはり静岡県は温暖な気候のせいなのか、私の周辺では、春と夏共に結構分蜂している印象だ。ずいぶん生態が違う。当然採蜜(蜂蜜を採る)時期も変わってくる。これは群れによっても違うので、結局その都度観察しながら最良と思われる時を探るという事になる。つい人間の都合で動きたくなるのだけれど地球はそういう風にはできていないことを改めて学ぶ。そもそも蜂蜜はみつばちが冬の間あまり活動できないので冬を越すための食糧であり、働き者のみつばちは群れが強いと蜂蜜を沢山ためることがあるので、それを少しだけわけてもらうという感じなのだ(あくまで私の主観です)。

あとその方が言っていたのだけれども、ずっと見ていると虫の道が見えてくるといっていた。観察してみると、なるほど確かにそうなのかもしれないと感じる。みつばちは例えば家の壁に沿って飛ぶ習性があることはずいぶん前から知っていた。そういった習性を知ることによって、みつばちが入りそうな場所に巣箱を設置する。ただ私はそれを道として感じていなかった。だけどそういう目線で見てみると蜘蛛の巣もただ作りやすい場所になんとなく作っているわけではなく、効率の良い所を狙って作っているのかなぁと容易に想像出来る。みつばちの飛び方なんかも勢いよく飛んだりふわふわ飛んだりと軌道がかっこいいというかやさしいというのかとても魅力的だと思っていたのだが、これもとくに勢いよく飛んでいる時などはかなり風の影響を受けている。というかそれを巧みに使っているのか私には感じえない空気の微妙な流れなんかを感じそれで虫の道みたいなものが出来たりするのかなぁと想像してみたりしている。そんなことに気付くとまた自然界の凄さに何だかワクワクしてきたりする。

あとよく言われているのだけれども、みつばちやその他の蜂は巣の目の前の花の蜜はあまり吸わないという。また敵に巣の位置を特定されないため色々と迂回しながら帰ったりする蜂もいるらしい。ただこれについては私の見ている限りだとそこまで観察できていないので何とも言えない。

続く

日本みつばちがかわいくて仕方ない
日本みつばちがかわいくて仕方ない2
日本みつばちがかわいくて仕方ない3
日本みつばちがかわいくて仕方ない4
日本みつばちがかわいくて仕方ない5
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない 虫の道
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない スズメバチの猛襲

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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