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Logo Mark脳内伝言板感性を研ぐ

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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振り返ってみると、
私は刺激を求めているのだと思う。
だから旅をしたり冒険をこのんでしているのだろう。

刺激はどんどん薄れていくから、どんどん過激になっていくだろうと思っていた。
現に若いころはバイクに乗ればより早く走りたくなり、海に潜ればより深い場所への憧れは自然に湧いていった。危険と隣り合わせのスリルはもちろん今でも好きだし、未知の体験を求める気持ちは薄れていない。ところが色々な経験をすると感性が養われていく。そのことに気が付くのは私の場合30歳を過ぎてからだったように思う。それまでは感性というものが何なのかなんて殆ど考えたこともなかったし、考えたところで分からなかっただろう。

だが歳を重ね色々な体験をして感性が養われていく事で毎日いろいろな事から刺激を受けることが出来るようになっていった。

感性を養うには、その場で無意識に感じる事の積み重ねがかなり重要なのではないかと思う。その時意味とか分からなくてもいいと思う。ただ行きたい場所、逢いたい人、やりたい事があるならば行動すればいい。体験すれば何か感じるし、刺激的であってもそうでなくてもいいと思う。それが自発的であるならよりよいのかもしれない。もちろん知識は大切でそして知識を得たなら使ってみること。知識を体験に変える。それは必ず自分の中に刷り込まれていき独自の感性を育む。

人生に無駄はないと大人は言うけれど若い時は疑わしかった。知識ではなんとなくわかるけれど体験が少ないから仕方なく、何度も何度も成功や失敗を体験することで初めて人生って繋がっているんだと理解できるようになる。

朝起きて玄関を開ける。昨日まで草だとおもっていたものが今日は花になっている。自分の認識が変わった瞬間は、とても面白いと感じるし、草をより多角的にとらえることが出来るようになることで、そこから感じる生命力に大きな刺激を受け、様々な想像の扉が開かれていく。

自然の大いなる力、自然界の循環に近い所で生活するのは生きるためにやたらとやる事が多い。草刈りしたり、薪わりしたり、常にどこかをかたずけたり直したりしている。普通に考えて今の時代そんなところに時間を使わなくてもいいのかもしれない。だがそこには大変さもあるが、日々の生活の中で生きるってことはいつだってリアルであり、危険と隣り合わせなんだと肌で感じることが出来るし、今日を乗り切るスリルもある。毎日が小さな冒険者でいられる感じだ。

あと旬の野菜や山菜はとにかくウマイ。美味しいものを食べるのはかなり良い刺激を受る。その循環も大切な事を沢山学ばせてくれる。たとえば生ごみや木くずなんかも乳酸菌等の力をかりることで、どんどん土に帰る。腐敗ではなく発酵というある意味魔法みたいな知識を使い手間をかけることで生活は豊かになっていく。こういった所からも沢山刺激を受け、私の場合はそれを制作に昇華させて発表することで社会と繋がっている。

そして私は自然界の摂理を理解するように生きていかないと自分の中の何かが崩壊していくように出来ているようだ。私にとって、本当の意味で合理的に生きるというのは目先の利害に惑わされることなく、自然の摂理に合わせて生きていくってことなんだろうと感じている。

                        おしまい

写真作品タイトル【Kodama】
中に種を埋め込んだ木彫刻作品です。
使用素材:楠 種 セメント 柿渋 etc.
サイズ :直径約18cm

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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