沢木 優

1967年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。
埼玉県出身。
血液型：B型。
LINX / 元THE POWERNUDE のドラマー。
パー...

続きを読む

先月の18日にリリースしました我々の渾身の新作『I Wanna / One Last Chance』からのMV第1弾『I Wanna』の制作についての続編です。
今回は、映像編集でのディレクションや、完成までの試行錯誤のアレコレを書いてみたいと思います。

撮影から1ヵ月ほど経った頃に、第1稿を上げて頂いてから、最終的には第10稿くらいまで修正して頂いて完成に辿り着きました。
まず、拘りの1つとしては、カット割り。
第4稿くらいまでは、このカット割りの差し替えをメインに費やしました。
それこそ秒単位で全てのカットをチェックしていくので、めっちゃ時間がかかるワケですが(苦笑)、活かすカットと差し替えて貰うカットの選別を徹底的に…。
I Wannaの場合、歌モノの楽曲よりは、それぞれの見せ場がある曲なので、そこを映像でもしっかり出していきたい！というのがありました。
当然、メインはヴォーカルであるコトに変わりないのですが、各メンバーの要所は逃さないように…というトコですね。
それぞれがカッコ良く見えるカットを選んで、構成して貰うまでに、1ヵ月近くかけました。

ちなみに、自分もドラマー的に撮って欲しい角度ってのがありまして。
あくまでも自分の感覚ですけど、ドラマーがカッコ良く見える角度ってあるんですよ。
もちろん！ドラマーによって、その角度も違ったりはしますが…。
なので、事前に小林さんには、細かく要望を伝えていました。
やはり、音源もそうですが、映像などもずっと残るモノですから。
MVをアップするYouTubeだけでなく、音源も配信にシフトするコトで、外国の方々にも簡単にアクセスして触れて貰うチャンスがあるワケですからね。
映像にしても音源にしても、そこでの第1印象で、作品への興味や評価がほぼ決まってしまうと思うので、退屈に感じる要素は極力排除しつつ、如何にしてインパクトを残すか…これは、常に意識して取り組んでいました。
これくらい拘っていかないと、どこのどいつだか知らないバンドの音なんて、なかなか評価の土俵に上げて貰えないと思うんですよね。

そして、もう1つの拘りポイントは、映像の色合い。
前回のTop Dogでの、黒の中に青の要素を入れて貰ったクールな質感が、とても気に入っていたし、YouTubeのコメントでも書かれるくらいだったので、間違いなく映像の良さを引き出す要素だったと思うんです。
ただ、今回は少し変化を持たせたかったので、当初は割とナチュラルな色合いだったり、やや赤寄りの色合いだったり…を試して貰ったのですが、どうもしっくりこなかったんです。
で、小林さんの意見も伺いつつ、色々なパターンを試して貰う中で、最終的にメンバーの意見なども合わせると、“やっぱり前回の感じがバンドにもフィットしているんじゃないか？”と。
というコトで、色合いを再度調整して頂いて、この感じになりました。
映像の色合いって、とても重要でして。
同じカットの映像でも、色合いの違いで、ホント見え方が全然違うんですよ。
だいぶ、行ったり来たりして小林さんには手間を掛けさせてしまいましたが、さすが！完璧にまとめ上げてくれました。

そして！もう1つの拘りが、曲の冒頭部分（0:00～0:18のトコです）。
今回の音源化に際して、曲を大幅にアレンジしたんですが、ライヴでいつも演奏しているこのセクションを、従来のイントロの前に差し込みました。
で、自分的な構想では、この前振り部分と曲本編（0:18以降）は、別モノにしたかったんです。
曲本編から、ガラッと場面転換するような…。

幾つか具体的なイメージとして、小林さんにも伝えたのですが、その中の1つが、あの昭和の名作刑事ドラマ“太陽にほえろ！”のオープニングでした。
映像の内容そのもの…というコトではなく、それぞれの意味合い的な部分ですね。
太陽にほえろの場合、最初のイントロ部分に、その回のハイライトシーンを細かく見せて、その後に出演者を紹介するテーマ本編になりますよね。
映像のイントロとして、やや目まぐるしい感じが欲しかったんです。
プラス、音源でもこの部分は意図的にノイジーにしていますので、なんて言うのか…（映像では）わしゃわしゃ感を出したいなと(笑)。

プラス、色合いでもハッキリ差別化したかったので、この前振り部分の色合いも、拘りました。
昔のフィルム映画のようなテイスト、ビデオテープ映像にノイズが入った感じ、明るいモノクロ、暗めのモノクロなどなど…あらゆるパターンを試して貰い、この暗めのモノクロに。
実は、フィルム映画のようなノイズと言いますか、独特のざらついた感じを仕込んで欲しい！と、小林さんにお願いをしていまして(笑)。
（YouTubeの設定にある）720pや1080pあたりだとあまりわからないですが、4Kに設定して観ると、小林さんの細かい技と仕込みが活かされた、フィルム映画の質感に近いざらついた映像を感じて貰えます(^^♪
そんなこんなで、細部に至るまで徹底的に拘ったMV『I Wanna』も、音源同様ひとつ宜しくお願い致します(^^♪

関連記事
構成のヒントは、あの伝説のジャパメタバンド!? 拘りの最新MV『I Wanna』～撮影編～