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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝コンビニ店頭幕観察、変わる意志を読み取る。われわれはどう進化する?

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
35回目のコラムです。今回は、以前にもコラムに書きましたコンビニエンスストアの店頭幕観察。観察期間は、今年の2月から7月です。前回と比較するとコンビニの意思の変化を見て取ることができます。とくにファミリーマートはCMO(チーフマーケティングオフィサー=マーケティングの責任者)として足立光氏が加わり、ストーリーを訴求するということができてきたと感じます。


■ セブンイレブンは、徹底的にPayPayとセブンイレブンアプリによるカスタマー訴求です

2月
・スーパーマリオブラザース35周年オリジナルメニュー発売中!
・セブンイレブンネット限定特典付きスーパーマリオ3Dワールド+フューリーワールド予約受付中
3月
・PayPay残高での支払いで20%戻ってくる+セブンイレブンアプリからPayPayで支払うと10%戻ってくる
4月
・セブンイレブンアプリからPayPayで支払うと抽選でペイペイジャンボ 1等最大1000%戻ってくる
5月
・セブンイレブンアプリからPayPay支払いが可能に!
6月
・セブンイレブンアプリにPayPayを登録しているともれなくもらえる50円クーポン
・たんぱく質が摂れる 食物繊維が摂れる カラダが気になる方に
7月 ・セブンイレブンアプリからPayPayで支払うと5%戻ってくる
・セブンイレブンアプリからPayPayで支払うと抽選でペイペイジャンボ 1等最大1000%戻ってくる

前回のコラムでは、圧倒的トップチェーンとしての食品ロスやプラスティックごみなどSDGsを意識した店頭幕の展開をレポートしましたが、この半年は完全に、PayPayとタイアップしたセブンイレブンアプリのインストールを促進するアピールになりました。
セブンペイがセキュリティ対策で失敗してしまったので、アプリでとにかくファン作りをすることにPayPayのユーザー数や資金も活用して邁進しているようです。両社の思惑も一致しているのでしょう。
毎回同じような店頭幕なので、カスタマーにとって変化感がないことは課題になるかもしれません。
TVCMは大量に流しているので、店頭幕は通りかかるすべてのカスタマーにセブンイレブンアプリ×PayPayはお得を長期戦でアピールしていくのでしょう。


■ ローソンは、エンターテインメントキャンペーンを量産してきました

2月
・100%のラテ カフェラテレシートクーポン
3月
・auPay Pontaポイント最大20%還元
・櫻坂46 キャンペーン
4月
・NiziU キャンペーン
・ありがとう35周年 みんなのからあげクン
5月 ・初夏のひとくちぼれ
6月
・日向坂46 キャンペーン
・ミルクにあう新焙煎100%のラテ
・鬼滅の刃キャンペーン
7月
・ミニオンサマー からあげクンバーベキュー味
・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンキャンペーン 貸切ナイト 10000名様ご招待
・みんなのからあげクン 1個おまけ増量 ローソンアプリで35円引き 何度も使える

ローソンは、櫻坂46、日向坂46、NiziUとのスマホくじとオリジナル商品のコラボを展開しました。毎回店頭幕にたくさんのアイドルが登場するのでよく見ておかないと変わっているという感じです。
さらに、ミニオン、鬼滅の刃とタイアップしたキャンペーン、とくに鬼滅の刃キャンペーンはエンタメコラボとしては圧倒的な集客・売上のようです。ローソンの真骨頂ですね。
また、コンビニチケットとしては独占契約しているユニバーサル・スタジオ・ジャパンとのコラボレーションを展開しました。私がローソン在籍時からずっと継続させていただいているUSJ貸切キャンペーンです。
前回のレポートではPB(プライベートブラント)商品の強化ということで、ファーストフードやパンなどの新作アピールが強かったのですが、エンターテインメントに強いローソンらしい展開になりました。
そんな中、からあげクンは35周年ということで特別なブランドなので訴求が続くことでしょう。もう日本国民の食べ物ですね。


■ ファミリーマートは、オリジナル開発商品をステキなストーリーで展開しています

2月
・恍惚の味わい 至福の洋食弁当
3月
・クリスビーチキン ファミチキ越えの問題児
・使えば使うほどおトクなファミマのアプリ ファミペイ会員募集中
・サクふわ ファミマ ザ メロンパン もちうま ファミマ ザ カレーパン
4月
・700円くじ実施中 Famipayボーナス1万円相当が当たる
・ファミマがセール!?
5月
・いちごゴロゴロ果肉ジューシー! 復活リッチフラッペストロベリー2017
6月
・ドリンク買うならファミマ
・ハッとするくちどけ バタービスケットサンド
7月
・夏の700円くじ実施中 シンカリオン キラメキパワー
・ファミマ夏のカレー祭り 驚きの23種類

ファミリーマートは、前回のレポートでは、ファミペイ、dポイントと絡めたヘビーユーザー獲得のプロモーションが多かったですが、オリジナル商品の開発ストーリーを広告連動で訴求し始めました。前述の足立光CMOの仕掛けだと思われます。
足立氏は、P&G、ワールドなど仕掛け人として有名ですが、マクドナルドのV字改革の要人と言われています。マクドナルドが組んだポケモンGOが好きすぎて、そのゲーム開発会社であるナイアンティックに転職してしまったということもありました。
その足立氏がファミリーマートのCMOとして呼ばれました。
この半年でも、洋食弁当、クリスビーチキン、メロンパン、カレーパン、バタービスケットサンドなどをステキなストーリーで展開してきました。ストロベリーフラッペも2017年の商品の復刻というストーリーを創っています。また、コロナ禍におけるサポートとしての役割を、総菜のセールやドリンク1本サービスのような展開で訴求したりと、年間計画があったとしても臨機応変にカスタマーに仕掛けていく姿勢が見られます。私見ではファミリーマートを楽しくした人だと思っています。


■ ミニストップは、全くぶれずに他が追随できないスイーツを次々に提案しています

2月
・タピオカ・温タピ
3月
・新ビッグドッグ
・ほおばる贅沢 白桃パフェ
・北海道らいでんメロンソフト
・やみつキッチン チャーシュー弁当
4月
・グルクル 飲む チョコバナナ グルクル 飲む いちご杏仁
5月
・ソフトクリーム50円引き
・キャラメルマキアートプリンパフェ
6月
・レッドメロンパフェ
・ハロハロ 果実氷メロン 果実氷温州みかん
7月
・シャインマスカットソフト
・ハロハロ 果実氷 練乳いちご

そしてミニストップは変わりません。とにかくファーストフード、スイーツの訴求です。ほんとうに独自路線。できればスイーツ専門店をフラッグシップ店として作ってほしいくらいです。
駅内に小さい坪でソフトクリーム専門店にチャレンジしていたりもします。
そして、北海道らいでんメロンソフトとか、キャラメルマキアートプリンパフェのように、他のコンビニエンスストアではできない追求が感じられます。
形容詞はいらず、商品名とおいしそうな商品デザインだけで展開しています。店頭幕を季節を感じながら見てしまうのも特徴ですね。


このように半年で振り返ってみると、同じように見えるコンビニエンスストアでも、誰がやるかによって、または、何をやりたいかによって 大きく傾向が違ってきます。
われわれも、大きなうねりの中で進化していくのか、あくまでも独自性を追求していくのか、コラボしかり変化をつけていくのか、いろいろ練っていきたいですね。

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ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
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