2024/11/06
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
114回目のコラムです。10月26日グロジャンフェスタ2024~くっくま孤児院JAPAN TOUR~というカンボジアのスラムや孤児院の子ども達が、カンボジアの伝統舞踊クメールダンスをはじめとしたさまざまなエンターテインメントショーを行うツアーの東京公演を観てきました。これには、現地の日本人、そして日本から支援するたくさんの人々の思いが詰まっています。今回のそのレポートを書きます。
カンボジアのCLCA孤児院で子どもたちに踊りを教えていた先生たちがいました。CLCA孤児院は先生たち自身がもともと生活していたところでもありました。先生たちはその孤児院にいる子ども23人を自分たちの力で育て、子どもたちにご飯を食べさせ、学校に通わせていました。必死に運営するのですが、お米を炊く水をふやしふやかして醤油を垂らしたさらさらのおかゆや、週1回だけホテルからもらう残り物の魚の骨で生活するのが精一杯でした。どう頑張っても先生たちの力だけでは難しく、子どもたちを田舎に帰すか、他の孤児院に預けるか、先生たちは苦渋の選択を迫られていました。
先生たちの頑張りを見に来たスタッフの楠美和さんに対して、ソバン先生は、「日本人のみんなは、カンボジアの他のもっと大変な子どもたちの支援をしてくれている。これ以上、甘えるわけにはいかない。」と答えたそうです。楠さんは、「子どもたちのおかあさんになりたい。」と決意し、CLCA孤児院をMAKE THE HEAVEN(グローブジャングルの前身)の孤児院として、日本人の皆さんに応援して頂き、カンボジア人の先生と共に運営していくこととしました。CCMHA孤児院(Cambodia’s Children Make the heaven Association)を無理やり日本語で読むと、CC=くっく MHA=ま ということで、くっくま孤児院!
こうして、いろんな環境で育ってきた子どもたちが集まり、毎日ご飯を食べ、水浴びをして、学校に通い、安心して眠れるくっくま孤児院が誕生しました。
くっくま孤児院への訪問については、こちらを参照してください。
くっくま孤児院運営ってなに?
カンボジアで子どもたちの未来を創るサポートを行う団体です。主に、孤児院支援や学校建設、貧困家族への就労支援を行っています。
GLOBE JUNGLEが定義する「当たり前の幸せ」5つのミッション(使命)
1. 食 :おなかいっぱい食べれること
2. 学ぶ:子どもが教育を受けれること
3. 仕事:仕事に従事出来、いい環境で働けること
4. 夢 :未来に夢や希望を持てること
5. 愛 :自由に人を愛し、愛情を貰うことができること
名前に込められた想いは、虹色の地球儀型回転遊具「グローブジャングル」。みんなで回して、みんなで乗るから楽しい。大人も子供も、国籍も関係なく、みんなで乗って、参加して笑顔になっていく、そんな連鎖を象徴しています。支援を受ける側だけではなく、支援を行う私たちも楽しむことで笑顔の連鎖を生み、継続的に支援を回していくという意味を込められています。
Globe Jungle代表理事の森絵美子さん。このコラムでも何度も紹介している「魂のおつなぎ人」大山峻護さんのおつなぎの会で一度お会いさせていただきました。今回のカンボジアの子どもたちのジャパンツアーの話に心を奪われました。森さんは、26歳の時に会社員を辞め、1人でバックパッカーとして世界を回り、35か国めのカンボジアで、ここに一生尽くせると悟り今に至ります。2005年に前身のMAKE THE HEAVEN Cambodia Project発起し、結婚&出産を機に日本に戻り、同団体の日本支部を設立。2016年に独立をして、NPO法人Globe Jungleを設立しています。
さて今回のツアーです。2024年10月19日大阪/10月22日名古屋/10月26日東京という日程。大阪に続いて東京公演であったため、好きな食べ物は?という質問に多くの子どもが、「たこ焼き」と答えました(笑)。おいしかったのでしょうね。GLOBE JUNGLEが、活動20年目を迎えるにあたり、7年ぶり・第7回目となるJAPAN TOURの開催となりました。大阪・名古屋に続き、日経ホールでの東京公演は、600席満席という人気でした。大山峻護さんの大山会で参加を募ったところ、100席がすぐに申し込まれました。ほんとうにステキな機会をいただきました。このツアーのテーマは、カンボジアの伝統舞踊クメールダンスを踊る、スラムや孤児院の子ども達を日本に呼び、日本でカンボジアの天使に出逢い、国や環境や習慣や世代の違う私たちみんなで、交流を深めイベントを通して感動とドキドキワクワクを共有することです。
伝統舞踊クメールダンスにはじまり、20人のくっくまっ子たちが、ダンスや歌唱、バンド演奏まで多才な、そして笑顔があふれるショーを見せてくれました。演目ごとに、メンバーが日本語で一生懸命内容を説明してくれます。とても伝わります。全員がありがとうの気持ちをテクニックではなくて、思いで伝えてくれます。お兄ちゃん、お姉ちゃんたちのパフォーマンスはもちろんのこと、まだ小さい子のパフォーマンスも一生懸命で、そして一生懸命やるだけでなく、お客様に伝わるように意識してやっています。プロフェッショナルです。普段の生活ではだいぶやんちゃのようですが…(笑)。最後には日本への感謝を込めて、ものすごく練習したであろう「よさこい」を、一糸乱れぬフォーメーションでステキに演じてくれました。笑顔で見ながら泣いている自分…という感じでしょうか?
カンボジアに来てくれるみなさんは、日本に帰る時には、
「私が何かしてあげられるのではなくて、逆にたくさんの幸せを教えてもらいました。」と、
カンボジアで子どもたちと一緒に過ごしたことによって、自分を見つめなおしたり、再出発をしたりする人たちがたくさんいたそうです。
くっくまっ子たちも、たくさんの日本のみなさんと出逢い、仲良くなるたびに、優しさや思いやりの気持ちが大きくなり、誰かに褒めてもらうことで頑張る力が大きくなり、心がとっても豊かに自己肯定感の高い子どもたちに育っているそうです。ショーからもそのことがよくわかります。
くっくま孤児院の子どもたちはさまざまな家庭環境によって、今は共同生活をしていますが、過去を不幸ととらえるのではなく、心から今を喜ぶことのできる幸せ。それを日本人の私たちに伝えてくれる、気づかせてくれる、教えてくれるのです。子どもたちの大半は、初めて自分の国以外の外国に行き、文化や発展を見ます。世界にはいろんな人たちがいることを感じて、一つの考えにとらわれず、一つの世界にとらわれず、広い視野をもって、さらに夢を描き人生のいろんな可能性を感じていくことでしょう。
同じ時に、日本では、政治家の裏金問題、闇バイトによる考えのない暴挙が連日報道されています。どの国でも醜いことはいろいろありますが、こんな純粋なステキの世界観があり、それを感じる感性と余裕が必要ですね。 みなさんもぜひ、くっくま孤児院に興味を持って、まずはホームページを覗いてみてください。
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
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