2024/12/26
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
117回目のコラムです。先般、アイアン・メイデン、ジャーニー、サミー・ヘイガーと続々とやってくるベテランバンドのことをコラムにしましたが、今年最後の大物ヘヴィメタルバンドであるジューダス・プリーストが来日しました。また、同世代のロックンローラーZIGGYのライブにも行く機会がありましたので、そのあたりをレポートします。
世界的に最も知名度が高いヘヴィメタルバンドで、今も第一線で活動しています。レザー・ジャケットにスタッズ、ハーレー・ダヴィッドソンというヘヴィ・メタル・ファッションを世界中に浸透させたオリジネイターであり、ブリティッシュ・ヘヴィメタルそのものを象徴する存在です。ヴォーカルのロブ・ハルフォードは「メタル・ゴッド」という愛称でも知られていて、当年73歳です。100分のヘヴィメタルライブを自分が73歳でできるのかと思うと感動しかありません。ちなみに前述のサミー・ヘイガーは78歳、アイアン・メイデンのリーダー、スティーブ・ハリスは68歳、ジャーニーのギタリスト、ニール・ショーンは70歳。永遠のロックンローラーたちはすごいです。
1970年、イアン・ヒル(b)がK・Kダウニング(g)と結成し、1973年にヒルのガールフレンドの兄のロブ・ハルフォード(Vo)を引き入れました。1974年に、マイナーレーベル「ガル・レコード」と契約した際にグレン・ティプトン(g)が加入してツインリードギターとなりました。「ガル・レコード」には苦労し、1976年にメジャーレーベル「CBSレコード」と契約してから一気に有名になります。
1980年6thアルバム『ブリティッシュ・スティール』でゴールドディスク獲得、1982年『復讐の叫び』、1984年『背徳の掟』が80年代ヘヴィメタルブームの中でも圧倒的な人気でしたね。その後も次々にアルバムを出しますが、ジューダス・プリーストの象徴であるロブ・ハルフォードが脱退してしまいます。1989年スコット・トラヴィス(Ds)が加入し、1996年には新ヴォーカリストとしてティム・オーウェンズ(Vo)加入します。ジューダス・プリースト向きの良いヴォーカリストでしたが、ロブ・ハルフォードが神過ぎたので大変だったと思います。
2003年ロブ・ハルフォードが復帰して現在に至ります。2011年、K・Kダウニングがいわくつきで脱退し、納得できないダウニングは、現在もKK's Priestというジューダス・プリーストばりのサウンドでバンド活動しています。2011年後任としてリッチー・フォークナー(g)が加入。『ファイアパワー』『インヴィンシブル・シールド』というヘヴィメタル評論家の伊藤正則さん曰く、前述の『復讐の叫び』、『背徳の掟』の再来という2枚のアルバムを発表して、ヘヴィメタルの最高峰に君臨しています。グレン・ティプトンが、パーキンソン病を患っている事を公表し、今回のツアーは代役としてアンディ・スニープが参加しています。
今回のツアーは、最新アルバム『インヴィンシブル・シールド』を引っ提げてのツアーですが、アルバムからは、「インヴィンシブル・シールド」、先行リリースされた「パニック・アタック」、グラミー賞のベスト・メタル・パフォーマンス部門にノミネートされている「クラウン・オブ・ホーンズ」の3曲が演奏され、ファン全員が待望している過去のヒット曲もほとんど網羅されていて、大熱狂のライブとなりました。ヒット作はもちろんのこと最新アルバムも聴き込んでいったので、100分があっという間で、首を振り過ぎてもげるかと思いました。本物を観ました!「ユーヴ・ガット・アナザー・シング・カミング」「メタル・ゴッズ」「ラブ・バイツ」「ブレイキング・ザ・ロウ」「ターボ・ラヴァー」「復讐の叫び」「ペインキラー」…どれだけメタルアンセムがあるんだ!という熱狂でしたね。
1984年にヴォーカルの森重樹一さんを中心に結成されたロックンロールバンドで、バンドを知らなくても名曲「グロリア」は多くの人が知ってますよね。私もカラオケで数えきれないくらい歌ってました。2008年に無期限の活動休止を発表しましたが、2017年に活動を再開し、全国ツアーを開催。現在の正式メンバーは森重樹一さんのみです。ZIGGYのメンバーの初期の外観は、LAメタルやグラムロックのようなかっこいいロックンローラーで、同じ時代にいた我々から見ても雲の上の存在でもありました。「グロリア」に見られるように親しみやすい歌謡曲的な要素が強かったのですが、森重さんが少年期に沢田研二や西城秀樹らの楽曲を聴いていた影響が反映しているのかもしれないと語っていたそうです。これは私見でしかありませんが、B'z、T-BOLAN、レッド・ウォーリアーズ、TM NETWORKなどの原点にいつも西城秀樹を感じてしまいます。勝手な思いですみません。そして私が音楽に目覚めたきっかけも沢田研二でした。私は還暦を迎えましたが、森重さんは1つ上、大学では同じ校舎にいたはずです。今も最高のロックンローラー!さすがです。
1989年に2ndアルバム「HOT LIPS」収録曲の「GLORIA」がフジテレビ系ドラマ『同・級・生』の主題歌となり、オリコン3位の大ヒットとなったり、1991年ZIGGYをモデルとしたアニメ作品「ZIGGY THE MOVIE それゆけ! R&R BAND」が制作されたり、1995年「Jealousy 〜ジェラシー〜」が「カメリアダイアモンド」のCMソングに起用されヒットしたりと、テレビのゴールデンでも森重さんが出演する機会をよく見ました。その後は、メンバーの入れ替わりが多かったり、契約違反でZIGGYのクレジットが使えなくなったり、活動休止と再開が繰り返されたりと苦労が続いたようです。初期メンバーの戸城憲夫さん(b)、松尾宗仁(g)はもちろんのこと、時代ごとに、横関敦さん(g)、新美俊宏(Ds)、宮脇“JOE”知史さん(Ds)など錚々たる顔ぶれもメンバーまたはサポートとして参加していました。
20thアルバム「For Prayers」をリリースし、結成40周年を記念して、全国ツアーを開催。メンバーは、森重樹一さんはもちろんのこと、カトウタロウさん(g)、佐藤達哉さん(Key)、CHARGEEEEEE…さん(Ds)、Toshiさん(b)。61歳森重さんを囲む若手ミュージシャンたち(佐藤さんは若手じゃないけど)。赤ワインを片手に24曲ノンストップでロックンロールやバラードを楽しみました。ワインの2本目がなくなり、お客さん(たぶん)が1本買ってくるというステキなのりもあり、また会場には若い人もたくさんいましたが、手を振りながらヒット曲を合唱してました。実は、12月31日のライブをもってこのメンバーでのライブはいったん最後ということもあり、森重さんから「まだまだ活動する」ことと「みんなへの感謝」が何度も何度も語られました。
「ONE NIGHT STAND」「I’M GETTIN' BLUE」「GLORIA」「STAY GOLD」のたたみ込みはしびれました。「GLORIA」は私も少し泣きながら歌ってました! 楽屋でちょっとお会いする機会があり、改めて神との再会的な感情がありましたが、ステキで丁寧に対話してくださいました。
サポートメンバーたちもこれからそれぞれの活動に入っていきますが、全メンバーが森重さんが大好きオーラが出まくっていてステキなライブを観たなあと感じました。CHARGEEEEEE…さんが、全曲歌ってる姿、全盛時のLAメタルのようなスタイル、森重さんやファンの動きに合わせてパフォーマンスしながらも全くぶれない激しいドラミング、めちゃくちゃ脳裏に残りました。ちょっと彼には注目していきたいです。
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
準備中