2025/04/08
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
124回目のコラムです。今回は、定点観察として定期的にレポートしている「コンビニの店頭幕から戦術を読み取る」です。今回は、2024年10月から2025年3月の店頭幕です。みなさんにとって当たり前の風景のコンビニエンスストアですが、よくよく観察してみるとそれぞれの戦術が見えてきます。コンビニがどれもこれも同じ戦術なわけではないのです。
10月:おにぎりを350円購入ごとにドリンク無料券もらえる
10月:パンを300円購入ごとにドリンク無料券もらえる
11月:天下一品のこってりフェア
11月:今年のクリスマスローソンにする?
12月:パンを350円購入ごとにドリンク無料券もらえる
12月:Mrs.GREENN APPLEメンバーに会えるイベントが当たる
1月:進化系からあげクン登場
1月:とろふわが止まらない! 濃厚ショコラスイーツ
2月:また×3帰ってきた! お値段そのまま47%増量
3月:香ばしくとろける2層仕立てタルト
3月:パリッ しっとり じゅわ~ 至福の新食感
ローソンは、連発している「おにぎりを350円購入ごとにドリンク無料券もらえる」に加えて、「パンを350円購入ごとにドリンク無料券もらえる」を打ち出しました。おにぎりには緑茶、パンには紅茶飲料をラインナップしています。おそらくメーカー協賛のドリンク無料券だと思いますので効率的なキャンペーンです。お値段そのまま47%増量も強い武器になっているようです。
新しいチャレンジは、「天下一品のこってりフェア」天下一品監修のこってりラーメン、こってり天津チャーハンをはじめ、おにぎり、スープ餃子、からあげクン、こってりまん、カレーパン、カップ麺・お菓子・冷凍食品など思い切ったラインナップで勝負しました。また、ジョブチューンも継続的に登場していてスイーツ開発にも余念がない感じです。
前回のレポートでの半年でも、お得意のエンタメコラボが店頭幕に出現することはありませんでしたが、この半年もほとんどありませんでした。ですが、大人気の「Mrs.GREENN APPLEメンバーに会えるイベントが当たる」では、クリスマスモードの告知を切り替えて露出していました。アプリで貯めたポイントで応募するようでした。相変わらずの値上げラッシュ、コンビニの店頭も少し躊躇する商品も増えてきました。少しでも安く買いたい方向け、同じ値段で増量だと助かる人向け、そうはいってもスイーツなど新商品開発の手は止められない…そんなことが感じられるローソンの半年でした。
10月:三井住友カードのスマホタッチ決済でVポイント最大10%還元!
11月:セブンカードプラス クレジット払いで最大10%還元!
11月:セブンイレブン×乃木坂46 シングル予約受付中
12月:セブンイレブン×ちぃかわ あったまるね、きもち
12月:スペシャルメニューそろってます! クリスマス
12月:食卓をおいしく彩る セブンプレミアムのお惣菜
1月:カップデリ
2月:甘くてしあわせ チョコdeいっぱい!
2月:セブンイレブンアプリ 買うほどランクアップチャレンジ 最大20枚クーポンプレゼント
3月:メジャーリーグ開幕戦キャンペーン
3月:春のごちグルメ
セブンイレブンのこの半年は、カードやアプリ連携でのお得の訴求が目立ちました。Vポイントやセブンカードプラスなどもセブンイレブンアプリ連携が条件になっています。そのあたりがちょっと複雑でユーザビリティは心配です。コンビニエンスストアに限らず、飲食店やドラッグストアなどもアプリでのカードやポイント連携が日に日に増えています。「囲い込み」という言葉がありますが、どのプレイヤーも同様に始めてしまっているという印象です。数年続いていた地域フェアのようなものは一段落してしまったのでしょうか。ちょっと元気がない、そして王道でもないところが心配です。セブンイレブンとしては買収のニュースが長く続いており、日本の大事な小売りとして圧倒的かつきめ細かな提案をする存在でいてほしいと思いますね。
エンタメコラボでは、継続している乃木坂46のほかに、新しく大人気の「ちぃかわ」コラボを実現しましたね。ちいかわオリジナルおむすび。ちいかわオリジナルデザインの敷き紙と、焼き印が入ったあんまんとピザまん。ちいかわコラボパッケージセブンカフェ ホットカフェラテ。冬の装いのちいかわたちをイメージしたオリジナルくじなどなど。メジャーリーグ開幕戦キャンペーンもあり、エンタメコラボもいろいろ投入してきた感があります。「わざわざ来る理由とは何か」整理する必要がありそうです。
10月:パンより贅沢、スイーツより満足 感動スイーツ誕生!
10月:ファミマがチョコだらけ
11月:ファミマのブラックフランデー 揚げ物2個買うとファミから1個1円で買えるクーポンもらえる
11月:最強×贅沢 おむすび
12月:クリスマスはおいしいファミマのチキンでしょ!
12月:ファミマのお年玉 ファミペイ払いで
300円以上購入で毎日ファミペイ100ポイントもらえる
1月:新作続々! ファミマのいちご狩り
1月:絶品!とろたま弁当
2月:そんなの絶対うまいじゃん 濃厚チーズinファミチキ
3月:おむすび二刀流、解禁
3月:しっとりもちもち食感の白生パン誕生
ファミリーマートは、とにかく開発商品推しです。感動スイーツ、チョコだらけ、究極のおにぎり、いちご商品、とろたま弁当、濃厚チーズinファミチキ、白生パン…最強おむすびと贅沢おむすびの対決は、こんな感じ。最強どん兵衛きつねむすび、最強どん兵衛かき揚げむすび。ごちむすび 大きな鮭はらみ、ごちむすび いくらと秋鮭、ごちむすび国産黒毛和牛の牛すき。おいしさの単品訴求だけでなくて、楽しく食べてもらう方針が強く感じられます。CMOの足立氏は、「セブンイレブンを抜く」と豪語していますが、確実に踏襲するより、次々にチャレンジする姿勢は、その豪語を信じたくなってきます。お客様に、ファミマのストーリーを楽しんでもらう…さすが彼だなと感じます。
店頭幕にはたくさん「ファミマの」と記載されています。これもかわいがってもらいたいというブランディングですね。
そして、驚きの大谷翔平コラボ「おむすび二刀流、解禁」大谷選手をおにぎりアンバサダーに迎えました。
この期間のおにぎり部門の前年比は120%と破格の伸びだったそうです。ファミマが一番元気に仕掛けを楽しんでいます。
10月:とろけるフォンダンショコラ
10月:プレミアムソフト トリプルショコラ
11月:チーズドッグ
12月:練乳いちごパフェ/贅沢ハーフのローストチキンレッグ
12月:チキン各種20円引きセール
12月:値段はそのまま1.5倍 Xフライドポテト
1月:プレミアムソフト いちご×チョコ×バニラ
2月:香るカカオチョコソフト/白いパフェ
2月:紅ほっぺのいちごパフェ
3月:ブルーベリーヨーグルトパフェ
3月:茶師十段監修抹茶使用 プレミアムソフト濃い宇治抹茶
ミニストップは相変わらずスイーツ開発一択の戦略です。上位3社と比べる必要も特にありません。
ただし、今までは、北海道産生乳、温州みかん、ロレーヌ岩塩、クラウンメロン、長野県産シャインマスカット、雪塩入りすいかシロップ、茨城県笠間産和栗ソフトなど、地名や特別感のある価値を訴求してきたのですが、この半年を見るととてもシンプルになっています。文字数が多いのをやめたのでしょうか? ずっとこの希少価値訴求を誉めてきたので、個人的にはちょっと心配になりました。
3月最後に、「茶師十段監修抹茶使用」と出てきました。これですこれ!
何か方針があるのかもしれませんが、「わざわざ買いたくなる理由」を創り続けてほしいですね。
この半年を見ていると、ボジョレーヌーボー、ハロウィン、クリスマス、お歳暮ギフト、恵方巻などの風物イベントについては、廃棄の問題や、そもそもの売上の問題からか…あまり盛り上がっている感じはしませんでした。
逆に、前々回の「ねこの日」のコラムでは、ファミリーマートとセブンイレブンの取り組みを紹介しましたが、楽しいマーケット創造に目が向いているのかもしれません。私もローソンに10年近く在籍しましたが、コンビニエンスストアは、毎日永遠に新しい商品開発・サービスを考えていて、止まることはありません。みなさんもコンビニエンスストアの楽しい「コト」創造を楽しんでください。
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
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