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なにか創るとうれしくて「最高層より翔ぶ男」のアートワークで考えていたこと

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者


1966年、栃木県生まれ。

株...

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 2019年11月。iTunes、Google Play、Amazon、Spotify、等々各種メディアからリリースした「最高層より翔ぶ男」という楽曲の話がつづいているけれども、今回はそのアートワークについて。
 自分のアルバムは原則として自分でジャケットカバーを作ることにしているのだが(まぁそういうことをするのがそもそも好きだしそれが仕事だったりもするので)、今回は珍しく白基調のジャケットにしてみた。
 まぁ自分で言うのもなんだが、だいぶ説明的なデザインだよなと自分でも思ったりする。
 なにがどう説明的なのかということについては、前々回に掲載した連載記事「「最高層より翔ぶ男」という楽曲(1)」を読んでいただき、この「最高層より翔ぶ男」という曲の歌詞を読んでいただければ分かるかなと思う…と書いちゃうと終わっちゃうのか?w

 まぁ画面要素はもう最初からほぼ頭に浮かんでいた。それはもう超具体的にこの歌詞にある通り、高いところから見下ろした街の風景であり、それを見下ろしているであろうこの歌の主人公の姿。もうこのイメージが最初から頭に浮かんでいて、大体はそれで行こうと思っていた。
 そうだなぁ、少し迷ったのは他に2つほど候補が頭に浮かんでいたからかな。
 1つは花の中に横たわる男性の上半身。
 これはもういわゆる棺の中のイメージだった。
 もう1つはアスファルトの上に描かれた白線の人型。
 これは飛び降りた後の人の状態を見せるというもの。
 まぁどちらもちょっとえげつないかなぁとかも思ったりして、しかしそれらの方がインパクトは強いかもとも思ったりして、ちょっとだけ迷ったものの、結局は最初に思いついていた、歌詞が描いている風景に近い案を採用したという次第。

 次に悩んだのは全体の色選択。
 実は最初かなり青いイメージで作成していた。それは自分の頭の中にある絵が、そもそもかなり青く思い描かれていて、それを具現化しようとしたらそうなったという次第。まぁ、映画で言うところの「キタノブルー」みたいなものを思い浮かべてもらうとイメージしやすいかも知れない。まぁこういうブルートーンって、淋しそうだったり悲しそうだったり不吉そうだったりという雰囲気を出すにはある意味定番の手法とも言えるかもしれないから、実際に作ってみた時、どことなく既視感を感じたというのは正直な感想。
 で、どうせ「死」のイメージがつきまとう歌なんだったらいっそ、白くしちゃった方がいいんじゃないかと思って今の色に変更してみた。
 それでも若干地平線付近に青味を残したのは、全く色がない画面に弱さを感じたということと、同時に、画面奥の遠い場所の奥行き感を出しておきたくなったからということかな。
 なので、背景の街には若干の青味を残しているという次第。

 男のシルエットもけっこう困った。
 撮影するのは正直面倒くさかったので、ここはデザインによく使う写真素材から探したのだが、淋しそうな男の後ろ姿というのが本当にない。なぜならそういった写真素材に出てくるビジネスマンって、大抵は前向きにバリバリやったるで的なポーズをしているものがほとんどで、さりげなく、でもちょっと淋しげに佇む後ろ姿なんて本当に無いんだよね、これが。
 で探しまくって、かなり妥協しつつもより近いものを選択し、さらにその絵を修正しまくってできたのがこのシルエット。
 そういえばこの男の影もどうしようか迷ったなぁ。普通に影をつけちゃうと生々しくて浮いちゃう感じになっちゃったし。

 そうそう、この男の背中に、アルバム「99.99%」の玉の背景にある蝶のような模様をつけようかななんてことも試したっけ。
 要は「翔ぶ」という単語に合わせて、天使の羽のようなイメージがあってもいいかもなんて思ったのということなんだけど、これがまたつけるとそれが目立って浮いちゃう。浮いちゃうからできるだけ薄めに入れようなんてことをすると、今度はそこになにがあるのかそもそも分からないということにもなって、だったらいらねぇじゃんという判断をして外したという次第。
 まぁ、そうやっていろいろとやっているとどんどん要素が増えていくので、ある時点からは削ぎ落とす作業も必要になるというのは、音楽とか写真とかと同じだなぁと思うということですな。

 というような過程を経てできたのがこのジャケットデザイン。自分がこれまで作ってきた傾向から考えればちょっと異質だけれども、「99.99%」の時のように悩みまくったということもなく、比較的スムーズにできた一作かなと思う。
 ということで、もしご興味持っていただけた際は、是非まじまじとご覧になってみていただければと思います。

 あ、ちなみにこの背景の街は東京。カミさんとスカイツリーに遊びに行った際に、上の展望台から撮影した一枚を加工しまくって使ってみました。まぁ、自分にとってのこういった街と言えばやっぱり東京だし、実はこの隅田川沿いの地域にはかつて住んでいたので(厳密には両国だけど)、ちょっと懐かしくもある場所だったりもします。

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EP「最高層より翔ぶ男 / 1914」iTunes、Google Play、Amazon、Spotify等で発売中。

2019年11月発売のEP「最高層より翔ぶ男 / 1914」。
クリムゾン・シャア時代の代表曲にして10分を超える大作「最高層より翔ぶ男」を完全新録で再生。
カップリングには、2016年リリースのアルバム「99.99%」に収録の「1914」の、ギターをすべて自身の演奏に差し替えリミックスしたものを収録。
紫水勇太郎のハードロック的な側面を象徴する2曲を是非お聞きください。
iTunes Google Play Amazon
・その他、Spotify等各種ダウンロードメディアにて公開中。
 「紫水勇太郎」で検索ください。

収録曲
1. 最高層より翔ぶ男
2. 1914(2019)

Written words and music, arranged, programed, sang, played guitar, produced, recorded, engineered, mixed, mastered, designed cover and shot picture by u-taro'DANNA'shimizu.

「最高層より翔ぶ男」はYouTubeでも聞けます。

紫水勇太郎 - トピック

Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
最高層より翔ぶ男 · 紫水勇太郎
最高層より翔ぶ男 / 1914
℗ 2019 WOORKS Records
Released on: 2019-11-06
Auto-generated by YouTube.

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