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Logo Mark連載記事

Logo Markなにか創るとうれしくてとにかくコンテンツ・ファーストが大切というお話

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者


1966年、栃木県生まれ。

株...

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 実はこの話、Web戦略を提案する株式会社ワークスの人間としてはもう何度も何度も、まぁ口を酸っぱく言ってきた話なので、その時のことを覚えてる方にとっては、シミズがまた言ってるよ…ということかなとは思うんですが、しかしこれは、アート表現等にとっても極めて重要なことと思いますので、改めて書かせていただこうかなと思いました。

 簡単に結論から言えばつまり、
「もっとも大切なのはそのコンテンツ(作品)そのものであって、それ以外のことがそれより優先することはあまりない」
ということです。
 まぁここで「絶対に」とか「あり得ない」とか「断言!」とか、言わないあたりが正直なところだと思っていただければと思いますが、例えば、どんなに音がよかったとしても、どんなにクリアな映像で再生されたとしても、どんなに立派な額装がされようと、どんなに綺麗に包装がされようと、どんなに美しく展示されたとしても、どんなに有名なメディアに載ろうと、どんなに権威ある人が推奨しようと、コンテンツ(作品)そのものがよくなければ本当の意味でのインパクトを残すことはできず、逆に、コンテンツ(作品)が素晴らしければ、それ以外のものが少々甘かったとしても、なんらかのインパクトを残すことはできるだろうと…まぁ実際はメジャーなメディアに乗ったり、権威が褒めたりすると、作品の良し悪しを見もせず無条件でそれをいいと思っちゃうような輩もけっこう多くいるので、必ずいつでもコンテンツの良さが最強というわけではないのがちょっと悲しくもありますが、それでも、そうした外的要因で浮上した作品または作家は、その後結局早々に沈んでいくことも多いと思いますので(これはあくまで主観的な感覚値ですけど…期待値だけじゃないといいなw)、やはりいいコンテンツを生み出すことが、長い目で見ても最強と思っている次第です。

 それでは具体的にどんな作品がそういう作品だと言えるでしょうか。これはまぁ人それぞれ主観があって違うと思いますので、普遍的に「これこそがコンテンツ・ファーストだ!」と規定することは難しいとは思いますが、自分的には例えば以下のような基準で考えています。
 (1) その作品のどのような点でもいいので「これはすごい」と思えるポイントがある。
 (2) 自分がいいと思ったその作品は、自分が知っている過去の同種作品と比較して新しいと思えるポイントがある。
 (3) 自分がいいと思ったその作品は、その後長い間(これがどのくらいかまでは決められてないのでこの辺はちょっとフワッとしてますが)記憶に残る作品である。
 (4) 自分がいいと思ったその作品が、もし有名人や知人が作ったものでなかったとしても同じようにいいと思える。
 (5) 自分がいいと思ったその作品が、もし作家の見た目や地位、これまでの実績を知らなかったとしても同じようにいいと思える。
 まぁ(1)は当たり前とは思いますが、(2)については、新たに生み出されたものであるのであれば過去にない新規性やオリジナリティは欲しいという自分の主観ですし、(3)については正直ややぬるいかもとも思います(最近は加齢もあってもうだいぶ覚えてられなくなってきちゃったし…トホホ…)。
 しかし(4)と(5)はだいぶ重要です。つまり自分が惹かれているのは、その作品のバックボーンではなく、間違いなくその作品であるということの確認…かなと。

 これは例えばLed Zeppelinのアルバム、通称「IV」なんかの例が分かりやすいですね。デヴュー作から大ヒットしたLed Zeppelinですが、この「IV」ではなんと、ジャケットにバンド名も作品名も入れずに発売しました。まぁもちろんPRはあったと思いますし、日本ではきっと帯がついて大々的にバンド名等は記載されたと思いますから、完全なブラインド・リリースではなかったと思いますが、それでも彼らの意思としては、自分たちの作品はバンド名等がなくても充分にすごいんだということを示したかったということと思いますし、実際それはできていると思います。だって例えばあの名曲「Stairway to Heaven (天国への階段)」あたりはきっと、Led Zeppelinという名前を知らない方が聞いてもすごい曲だって思う方が多いんじゃないかと思いますけど、いかがでしょう。
 もっと身近な例で言えば例えばAdoさんが歌って有名になった「うっせぇわ」もこの例に当たるかなと思います。だってそれまでAdoさんのことなんて知らなかったでしょ。おそらく多くの方はあのアニメ動画のMVを見て、そして驚くべきことにほぼ一発であのフレーズを覚えたんだと思うんです。これ、まさに有名かどうかなんて本気で関係なかった事例と思いますね。またAdoさんの歌がとんでもない破壊力でしたもんね。
 同じような事例はきっと、絵画でも映画でも小説でももうありとあらゆる表現物であると思うんです。とにかくいきなり心つかまれるあの感じ。その相手のことなんてほぼ知らないのにつかまれて忘れられなくなって…もう理屈じゃないですよね。
 この状態がコンテンツ・ファーストだと思うわけです。

 こうなるともうメディアがなんだとか、プラットホームがなんだとか、タグがとか検索性がとか、ほとんど関係ありません。どれがどんなところにどのような状態であったとしても人の心をつかむでしょう。もちろん、発見のされやすさや、その作品に心を動かしそうな人がたくさんいるかどうかなんていうことや、興味を持ってもらうための表紙(タイトルとかサムネイル画像とかね)の作り方の工夫とかは、それを補完する意味で有効と思いますが、しかしそれらはすべて「ファースト(最優先)」ではない。あくまでいいコンテンツがあってこそのそういったものだということです。
 なのでよく、検索キーワードがどうのとかタグがどうのとか、見てもらいやすくする動画の作り方とか、まぁいろいろなノウハウが出回ってますけど、たいしてよくないコンテンツを見てもらうためにそんな枝葉なことに地道を上げたってそりゃあ本末転倒だろうと思う次第でございます。
 まぁこれもね、作り手が自分として「いいもの作れた!」っていう実感があるなら全然OKと思います。いいものを作ったならより多くの方に見て知っていただき、その作品に共感してくれる人と出逢っていこうとするのは当然ですし、これもまた大切なことと思います。

 …また少し横道に逸れそうになりつつさらに長くなりそうですのでこの辺にしますが、要はもう単純に、まずはいいコンテンツ(作品)を作るということが最優先ですというお話でした。その上で、それができたならその次のステップとしてマーケやプロモーションを考えると…そういうフローを思い浮かべていただければと思います。

 え? おまえはどうなんだよって? いやだからさ、若い頃、まぁ一番ガンガンバンドをやっている頃はこれを明確に自覚できてなくて、だからいろいろ間違ったこともしちゃってたってことだと思ってますよ。もう振り返るとクソぬるいと思うことがいっぱいです。あの頃今の知識や思考力があったら動き方も違ってただろうなぁ…そもそも「いいコンテンツ」の考え方が違うと思うしなぁ(そこかいw)。
 ということで、歳を取りつつ、その間だいぶ多くのトライとエラーを繰り返してきたオヤジの実感(ほぼ戯言かもしれないけど)でした。

 そう言えば今って(終わろうと思ってたのに思い出しちゃったw)、昔のちょっと音の良くない音源や、画質の良くない映画を、リミックスしたりリマスターしたりしてとってもいい状態にして再発してくれるなんていうのが多いけれども、あれも実は、結局元のコンテンツが良くなければそもそもやる意味がないなんてことにもなるんだなぁ…とか。
 例えばJudas Priestの「Heading Out to the Highway」のMVとか、リマスターされても…あ…でもこれはこれで逆に見たくなるかもだけどw

※写真は数年前に行った栃木県足利市のあしかがフラワーパークで撮影したもの。 こちらのスポットも今はもうコンテンツ・パワーの権化みたいになってますよね。すごいなと思わされる場所の一つでもあります。
※使用カメラ&レンズ:Canon EOS 6D + EF24-70mm F2.8L II USM

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