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Logo Mark脳内伝言板地図のない旅 (17) 屋久島へ 4

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

二十代前半人生は一度きりだと腹をくく...

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宿に付くと実際、電気・ガス・水道無し。外にテント張るならただでいいよといわれた(笑)。

流石にテントでは申し訳なく思い、宿泊する事にした。家はご主人の手作り。水は川の水なので流し台のパイプからはジャンジャン出っ放し。何というか贅沢な感じを受けた(笑)。ガスは無く調理は焚火。話に聞いていた風車は少し前の台風で吹っ飛んでしまったと残骸があるだけだった。聞いたところ、風車自体それほど大きくなく豆電球を幾つか光らしていただけだったらしい。電気はないので蝋燭とかランプとか使っていた。世の中、本当に色んな人がいる(笑)。

こちらのお宿は、ご主人と奥様と小学校低学年の娘さんの3人家族。都会から移住して自給自足的な生活に突入していったという。都会ではデザイナーだったらしい。今後は画家として勝負したいので近いうちに海外へ行きたいと言っていた。話の成り行きで、もし良かったらその間タダでいいのでここに住んで管理してくれないかといわれた。偶々そういう人いないか探している時だったらしい。それも面白いかなとも思ったが、考えた末それはお断りした。

当時まだアートとは無縁で興味すら殆どなく、もちろん絵の事は全く分からなかったが、描いた絵を何枚か見せていただいた。今思うとキャンパスに油絵かアクリル画で白っぽい宇宙人みたいな顏が描かれていた。自画像だったのかもしれないな。当時未熟な私には、その良し悪しについてはわからなかったが、いくら位するのかと尋ねたら描いた時の自分の総てが入っているので1億円と言いたいといっていたのが印象的だった。

結局面白くて2〜3泊してしまったと思う。奥様は料理がお上手で、山菜や畑の野菜の天ぷらやお米も美味しかった。偶々大きなアサヒガニを旦那さんが貰ったと皆で食べた。これは食べてみたかったので嬉しかった。出発するときも大きなおにぎりを頂いたのを覚えている。また娘さんと結構遊んでくれたからと更に宿泊費を負けてくれたように記憶している。全く儲からないよな…。

電気水道ガスはなくとも色んなものがあった。何より宿として見事に成立していると感覚的に感じた。普通の宿や野宿では味わえない何かがあった。

この宿では、くるくる新聞という手書きの新聞を発行していた。私の簡単な似顔絵と行動について少し取り上げてくれていた。(これが手元にあるという事は多分あとで郵送してくれたんだと思う)その他屋久島について地元の人しかわからない様なスポットや食材の事なんかも書いてあった。
またそういった変わった?生活をしている為に、娘さんがいじめにあっているといっていた。そういった事で起こる学校とのやり取りや娘さんとのやり取りなんかも書いてあった。何というか、愛情のある文章だった。これを書きながらググってみたらこちらのご家族は、その後も波乱万丈な人生を送っているようだった。人生色々な波が打ち寄せる。これもまた面白いもんで若い時はやみくもに大きな波を求めて突っ込み何度も人生の大波に溺れそうになったりしたが、自分としっかり向き合い始めると、次第に今の自分に必要な波しか来ないことに気付き始める。 突然やってくる人生の波。抗えない自然の力。大きさにかかわらず、そいつをなるべく丁寧に一つ一つ楽しみながら乗りこなすのが、これまで出逢った多くの人や大自然から学んだ大切な感覚だ。

              〜 屋久島編 終わり〜

TOP写真は陶器のぐい飲みです。


BRAIN I 【キノウミタリュウ】より

【構築】

無機質な物質を構築することにより

有機質なイメージをもつ作品が生まれる感覚がとても好きだ

        K,shirasuna

【休眠の解除(発芽)ハチの巣】

写真は縄文展 三澤寺にて

ある一定条件が揃った時 休眠は解除される
その時を知っているのか 感じているのか
種はいつも最良の時を 知っている

蜂の巣 金属 種

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

二十代前半人生は一度きりだと腹をくく...

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