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Logo Mark脳内伝言板続・日本みつばちがかわいくてしょうがない 2025春 2

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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その後かなり展覧会等忙しかったので巣箱の中を観察することもしないまま3ヵ月ほどがたった。順調に数も増えているようなので流石に一度点検しないとまずいなぁと思い7月の終わり頃に中を覗いてみると巣箱が巣でいっぱいになり下まで付きそうな勢いだった。私はいわゆる重箱式の巣箱を使っているのだけれど、巣箱の下の板を引っ張りだせるようにしていて下の板を外して中にスマホを突っ込んで録画して確認している。早急に一段巣箱を継ぎ足したんだけれど持ち上げた時その重さにちょっと驚いた。理論的には弱い群れなのかもしれないと予想していた遥か斜め上くらいに強い群れになっていて巣箱がめちゃくちゃ重いのだ。そう蜂蜜がいっぱいなのが持ち上げただけで良く分かった。

女王バチは繁忙期には一日1000個くらい卵を産むと言われている。この女王バチはこれまで見た中で一番強いように思われた。自然界って良きも悪きも私の考えというか人類の思い込みを軽く超えてくる。そこには不安もあるけれど私は夢やロマンみたいなものを感じてしまう。自然てスゲーなぁ。

8月4日現在開催中の小松庵総本家・銀座での個展に搬入を終え少し時間が出来たので思い切って採蜜することにした。まさか入居して3ヵ月で採蜜することが出来るとは思ってもみなかった。巣箱の上蓋を開けてみるとなんと美しい琥珀色をした蜜がたっぷりと入っていた。蜂蜜は巣房の中に貯められて蓋がされている。そのつくりの完璧さ美しさ臨機応変さに感動する。巣房の蓋を切ると自重で蜜が垂れだす。私は少量なのでビニール手袋をはめて粗方手で絞る。絞って残った巣も置いておくと残った蜂蜜が垂れてくる。そして残った巣くずは後で湯煎して蜜蝋になる。その時茹でたお湯は冷凍しておいて翌年巣箱に塗ることでまた日本みつばちを誘因することが出来るのだ。

今回はまた凄い採れたな〜と思っていた矢先、翌朝巣箱を見に行くと日本みつばちがいない! ガーンって音が聞こえるような衝撃だったなぁ。採蜜したときも普段と変わらずな感じだったのに…。中を確認してびっくり。残りの巣が落ちてしまっていたのだ。みつばちの巣は蜜蝋で出来ているんだけどそれが巣箱の上にくっついている。巣箱には巣落ち防止の為に格子状に針金を通しているんだけれど上部分を切り落としたことと連日の猛暑で巣自体が柔らかくなっていたことと、二段目以降にもかなり蜜がたまっており重かったことなどが重なり、自重で巣が倒壊してしまったのだ。流石にいなくなってしまっても仕方ない。可哀そうなことをしてしまった。
こうなると急いで全部回収する必要がある。気持ちを切り替えてそのまますべての巣を取り出すことにした。

取り出してみるとかなりの蜂蜜がとれた。初日に取った方だけで、約4.8キロの蜂蜜が取れた。翌日の方も2キロちょっとあったので合計7キロもの蜂蜜が採取できた。これを小さい体で3カ月間でためたのかと思うと、いったい何千匹のみつばちがいたのだろう。ただただ凄いなと思わされる。居なくなったみつばち達が新天地で無事に生きていってくれることを祈るばかりだ。

これが日本みつばちと私の近況である。
沢山取れた蜜は小分けにしてお世話になっている方々に差し上げて味見していただいている。日本みつばちの蜜は糖度が低いため発酵する事が多い。これがまた甘みの中にほんのり酸味を感じてとても美味しい。あと口に入れると花の香のようなものを感じる。あとサラッとしている感じでエグミは全くない。シンプルにトーストにかけて食べるのが私は好きだ。

こうして今年の日本みつばちはいなくなってしまったけれど、相変わらず多くの事を教わったり、頂いたり、感じたりさせてもらうことが出来た。本当に自然に感謝である。日本みつばちさんありがとう。おしまい。


日本みつばちがかわいくて仕方ない
日本みつばちがかわいくて仕方ない2
日本みつばちがかわいくて仕方ない3
日本みつばちがかわいくて仕方ない4
日本みつばちがかわいくて仕方ない5
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない 虫の道
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない スズメバチの猛襲
続・日本みつばちがかわいくてしょうがない 2025春 1
続・日本みつばちがかわいくてしょうがない 2025春 2

白砂勝敏展一音を奏で音楽と共に一@天王洲セントラルタワー1Fアートホール

この度、天王洲セントラルタワー1Fアートホールにて展覧会を開催させていただくことになりました。

期間中10月10日18:00よりレセプションパーティーとライブパフォーマンスがございます。
お時間ご都合つきましたら是非お出かけください。
よろしくお願いいたします。

[ レセプションパーティー&ライブパフォーマンス ]
10月10日 18:00~
出演・演奏:白砂勝敏
歌・踊り:・エコツミ・
朗読:KUMI

[ 在廊予定 ]
10月6日、10月10日、10月31日
12:00~20:00頃

[ 白砂勝敏展一音を奏で音楽と共に一 ]
期間:2025年10月6日〜10月31日
   休館…土・日・祝
時間:Open 8:30〜20:00休館:土・日・祝
会場:天王洲セントラルタワー1Fアートホール
   〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-24 中川特殊鋼株式会社・天王洲アイルセントラルタワー
   Tel.03-5462-8811
協力:中川特殊鋼株式会社
企画:風戸重利

We are pleased to announce that Katsutoshi Shirasuna will be holding an exhibition at the Art Hall on the 1st floor of Tennozu Central Tower.

There will be a reception party and live performance starting at 6:00 PM on October 10th. Please come along if you can. Thank you for your support. *The artist will be present on Monday, October 6th, Friday, October 10th, and Friday, October 31st from 12:00 PM to 8:00 PM.

[ Reception party and live performance on October 10th from 6:00 PM. ]
Musician: Shirasuna Katsutoshi
Singer/Dancer: Ecotsumi
Recitation: KUMI

[ KATSUTOSHI SHIRASUNA Exhibition Makeing music alongside plants ]
Event period:From Oct6, 2025 - To Oct 31, 2025
Closed... Saturdays, Sundays, and public holidays
Open:8:30 - 20:00
Venue:the Art Hall on the 1st floor of Tennozu Central Tower.
2-2-24 Higashi-Shinagawa, Shinagawa-ku, Tokyo 140-0002
Nakagawa Special Steel Co., Ltd. Tennozu Isle Central Tower
Telephone... 03-5462-8811

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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