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Logo Mark脳内伝言板失敗と成功の経験

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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前回執筆した「天邪鬼」で述べたように、人生って大まかには思った通りに進むように感じているのだが、時として思ってもみなかった方向へ進む事もある。
それは、突発的な変化を受け入れるかそうでないのかによって大きく変わるのかもしれない。私はできる限り変化を楽しみながら生きていきたいと思っている。それが今を生きる事だと思っている。言葉でいうと簡単なんだけれど実際人生に落とし込むと色々な事が絡み合っているので結構難しくなる。ただ結局は簡単なことを難しくするのはいつだって自分でしかない。そして難しい事を簡単にするのもやはり自分しかいない。難しい事もちょっとした思い付き一つで簡単に紐解けたりもする。柔軟な思考回路は人生を豊かにしてくれるのだと思っている。私の場合の柔軟な思考とは多角的に物事を捉える能力という感じで、その思考回路を使えるようになると人生において悪い事が起こった時、それをどの角度から見れば自分にとってプラスにとらえられるか、どうすれば上手く切り抜ける事が出来るのかを冷静に探れるようになってくる。もちろん心というものがあるので中々切り替われない事も多々あるのだが。

私の心のキャパはそれ程広くない。その事はこれまでの人生で痛い程感じているので上手く逃がさないと、私の心はいとも簡単に壊れてしまう。思考を切り替えるのは自分しかいない。もちろん誰かの励ましや応援の力をかりる場合も多いい。同じ時代を生きていれば当然同じような悩みをかかえ、それを乗り越えながら生きている。それが感謝の心を生み、支え合える事もある。現に私はこれまで多くの方とふれあい助けられながら生きてきた。

サッカーがしたかったんだけど何の因果かバスケットをやっているみたいな自分では思いもよらなかった道に進む事は人生においてよくある事だと思う。それが思いのほか自分に向いていたりすることがあるので面白い。私の場合それがアートだったのだが、得意分野や好きな事をいかす事が人生をより彩るのなら、色々な事を試したい。好きなことを仕事にすると大変だという人がいるけれど、注意深く観察していると大概そういうことを言う人は好きなことを仕事にしていない人だったりする。(例外もいるかもしれないが)私の周りで好きなことを仕事にしている人はむしろ楽しそうにみえる。他の人はどうかわからないが私はとても楽しい。

バスケットプレーヤーになるにしても過去にサッカーを経験している場合、多角的にとらえるとすればサッカーとバスケットが得意なバスケットプレーヤーになれればその人しかできないバスケットのプレースタイルが完成する。バスケットもサッカーもどちらも中途半端でもかまわない。なんならそこに中途半端な野球が加わったっていいと思う。それらの今まで覚えた中途半端な知識を融合させるというか人生は結局繋がっているので、いつしか勝手に融合していく。そういった感覚がオリジナルを生み出し、結果、個の持つ能力を最大限まで飛躍させることがあるように感じている。

同じことを繰り返す事で才能を育む事がある。だが違う事を繰り返す事で才能を開花させる事もあるのかもしれないと思っている。私は若いころ、視野が狭かったので、人生の選択肢があまりないように感じるていたが、多くの失敗や経験をする事で、無数に選択肢を生み出す事が出来る事を知った。すると、どんな時にでも可能性があるのだと思えてくる。それまで不安が多かった人生が格段に楽しくなってくる。月並みなのだが失敗は成功の基なのだと痛感している。

                   おしまい

写真作品は【ムラガルセイメイ】水彩画です。

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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