白砂勝敏（Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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今年初め、2025年1月14日(火)〜1月23日(金)、三島市のある小学校にアート作品を展示したり、色々なワークショップをするという、普段のギャラリーなどの展示とは少し違う…いやだいぶ違う環境での事業に参加。
主催・企画・運営はアルテプラーサ様。アーティスト4人とワークショップ3人その他にも多くのスタッフ、学校の先生方などの理解とご協力があって開催されたイベントに参加させていただけたことがとても幸いだった。

私は、ランチルームという広い部屋と中庭に作品を展示、子供たちと巨大絵巻つくり、絵葉書つくり、それと1〜2年生の前でソロライブ、3〜4年生の演劇に音楽で参加、6年生の前でキャリアトーク（自分の生い立ちを話す）等をした。盛沢山な新たな経験ができ、とてもとても有意義な時間をいただいた。

この話をいただいたとき、子供たちに何かを伝えるのに、私は値するか？という疑念が真っ先に浮かんだ。それでもやることになったからにはやるしかないし、結局いつも通りそのままやる以外には出来ることはないしなぁと思い腹をくくることにした。

ただ学校って授業の時間が決まっているのでそこの調整みたいなものを上手くやる自信が全くなかった。そういう経験が全くないので想定ができない。下準備をするのにもなにを用意すればいいのかよくわからないレベルだった。

実際やってみると想像以上に時間が短い感じだった。色々なロスタイムがでるので1時間の授業で伝える事は少ないほうがいいようだった。何度か授業をさせていただいたので、私の方も学習させてもらい、会を追うごとに少しずつ調整方法をつかんでいく感じだった。例えばライブも普段はこの楽器は何分位演奏するとか大体決めてあるので、与えられた時間の中でより多くの種類の楽器を使うことが多い。でも今回は楽器の種類を少なめにして楽器の説明をする時間を長くとった。また子供たちの思いもよらない反応だったり、質問だったりと想定以上の時間がかかるだろうと予測しながら進めてみた。

私のやっている音楽は…好みの音を創り　好みの音の並びを探し　好きなリズムを刻む…という感じ。それも音が音楽になる瞬間がとても楽しい。音が音楽になるとまた違う音を鳴らし、そこからまた音楽の種を探すようなことをしている。

こういう音楽ってとてつもなくマニアックな感じだろう。だから聞く側もマニアックな人になるんだろうと安易に想像していた。ところが昨今様々なシチュエーションでライブをすることが増えている。ちょっと前に80代の方たち80人くらいの前で演奏してほしいとの依頼があった。その時も退屈するんではないかと心配し、企画者に「本当に自分でいいですか？」と聞いてしまった。ところが実際やってみると何か音楽の楽しさみたいなものが伝わるみたいで、「あんた本当に楽しんでるね〜」みたいな意見を頂き、かなり好評な感じだった。変わったものが見たいという単純な欲求には答えられるのかもしれない。

今回は小学校1〜2年生という事で、正直なところ理解してもらえるかと不安がよぎった。どの授業も始めの自己紹介の時にかっちゃんと呼んでくださいと伝えた。結果的にニックネームというのは凄いもので、子供たちとの距離が一気に縮んだ。授業以外で廊下ですれ違う時なんかも「かっちゃんだ〜」とか言ってくれる子供たちがいっぱいいて楽しかった。実際に演奏が始まると想像を遥かに超える反応の良さに驚いた。衣装が魔法使いみたいなこともあってか、初っ端のムビラの演奏中に「かっちゃん魔法使ってる〜」とか言う子がいたりしてなんだかよい滑り出しだった。
打楽器なんかも演奏を聴きながら自分もやりたくなるのか、叩く真似をしている子も結構いた。早いテンポなんか叩くと「お〜かっちゃんスゲー」とか思った事を瞬時に声に出してしまうそのピュアさにこちらも笑顔になる。

今回は体育館でのライブだったんだけれど、企画者との話し合いもあり、ステージは使わず舞台をなるべく取り外し子供たちの目線でのライブだった。多分100人くらいいたのかな、ディジュリドゥや石ころでの演奏なんかはマイクが無くても十分聞こえたので子供たちの周りを演奏しながら回ると、それまで座って聞いていた子供たちが駆け寄ってくれて取り囲まれたりと、かなり面白かったなぁ〜。音楽の素敵な一面を感じさせてもらえるそんなライブだった。

何が起こるかわからない感じ。これだからライブはやめられないんだよなぁとステージに立ったことがある人だったらきっとわかってくれるかな。

【KIDS ARTWEEKS　その2】へ続く。

写真は海岸漂着物で創ったウォッシュボードと壁面は「水の記憶」です。

KIDS ARTWEEKS
KIDS ARTWEEKS　その2