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Logo MarkThe Great Journey新作『Treasure Box』~曲作り・コンセプト編(1)

沢木 優

1967年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。
埼玉県出身。
血液型:B型。
LINX / 元THE POWERNUDE のドラマー。
パー...

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7/10(水)にリリースされる2nd Mini Album『Treasure Box』。
先週、リードトラックとなる“Start It Over”のMVも公開されたり、ラジオなどメディアにも取り上げて頂いたりと、徐々にリリースへ向けて高揚感が高まってきました。

そんな我々の渾身の新作。
自分は、いわば現場監督的な!?感じで、制作の段取りからサウンドプロデュース全般を受け持っております。
そんな自分的な視点からではありますが、今作の拘りについて、
・曲作りなどのコンセプト編
・レコーディングやMix、マスタリンなどの制作編
・MV制作や宣伝・流通などのプロモーション編
何とも大袈裟な(笑)、3つのセクションに分けて書いてみようかと。
長いセクションのモノは、前・後半に分けていきたいと思いますので、ひとつお付き合いのほど宜しくお願いします!

【Once Again】
というコトで、今回は曲作り&コンセプトの前編を。
前作“Shake It Now”をリリース直後から、新曲への取り組みは始めていました。
ただ、前作は前作なりにかなりのエネルギーを投入しての制作だったので、正直なところ次作への意欲と言いますか、作れるイメージが全く沸いていませんでした。
そんな時に出来た曲が、今作の1曲目に収録されている“Once Again”。
ライヴでは、エンディング曲の定番となっています。

この曲は、Miwaのメロディのアイデアから、作った曲ですが、最初のアイデアの時点で、サビが印象的なメロディだったので、これを目一杯押し出していくような構成を組み立ててアレンジをしました。
自分らの中ではハードロック寄りな楽曲ですが、これを単なるハードロックではなく、如何にしてLINX流に仕上げるか。
この辺りで、色々と試行錯誤はしました。
それと、無駄を排除した構成と、効果的な仕掛けのバランスにも、けっこう気をつけましたね。

そして、この手の曲はリフも大事です!
ややメロウなメロディを活かすリフのイメージをZINに伝えたところ、まさに!どストライクなフレーズを考えてくれたので、一気にこの曲の全体像が見えた気がしました。
ライヴでは、エンディングがもう少し長いですが、音源で収録する際はこうやって終わろう…ってのは、この時から既にイメージしていたかなと思います。

【Only If I Could】
2曲目に収録のこの曲。
元ネタは、ベースのAkiによるものです。
とあるリハーサルの時に、“こんなパターンがあるんですが…”と弾いて聴かせてくれたのがきっかけでしたが、イントロ、Aメロ、Bメロのコード進行が既にほぼ出来上がっていたので、すぐに完成のイメージが沸いてきました。
これは完全に歌モノの曲ですので、コンセプトとしては、とにかくコーラスを含めたメロディを全面に出すと。
演奏陣は、ひたすらタイトに!
そして、歌を活かしつつも個々のカラーも出していこう!という方向で作りました。

構成やキメなどを組み立て、先にバックを作り込んでからメロを付けるパターンでしたが、Miwaのメロディも素晴らしかったので、これは出来上がりが速かったです。
特に、サビのメロディとコーラスは、ハートを鷲掴みにする力がありますよ。
英詞なので、パッと聴いただけではわからないトコもありますが、歌詞もなかなかいいです!
特に、我々の世代の人間にとっては、深く響いてきますね(笑)。

で、Akiにはせっかく自分の曲が形になったんだから、ベースソロも入れようよ!と提案しました。
もちろん、フレーズそのものは彼が考えるワケですが…
・ただ気持ち良く引き倒すソロではなく、曲の流れを踏まえた印象的なソロにしよう
・アンサンブルでの一体感も出したかったので、ソロの終盤にバックの3人でリズムのキメを設けよう
この2つをお題として、彼に投げました。
と言うのも、彼はいわゆるテクニカル系のベーシストに位置するかなと思いますが、どんなスタイルであっても、やはり一番大切なのはリズムと(曲を活かす)センスなんですよね。
そのテクニカルなトコも彼のスタイルではありますが、実は“メロディを活かす印象的なベースラインを弾くセンス”が、とても素晴らしいんです。
LINXで一緒に曲作りを始めた頃から、随所にそういう場面があったので、これは彼の武器の1つにすべきだなと。
そして、リズムの重要性という部分で“正しいリズムがあってこそ、テクニックも活きてくる”というところも、彼がLINXに加入した時から、一緒にコツコツと取り組んでいるので、その成果を活かすようなソロにしよう!と。
結果、曲にもマッチしつつ、彼のスタイルも表現出来たソロになっているかなと。

そして、ベースソロからバトンを受けたギターソロが、これまた曲を輝かせるフレーズで素晴らしい。
その辺りの流れも、この曲の売りの1つです。
まぁ今の時代、単に速く上手に弾けるだけのミュージシャンは、山ほどいますからね。
でも、彼にはそういう小さな枠に納まるコトなく、グルーヴもセンスも兼ね備えたスケールの大きなベーシストであって欲しいし、またその資格がある素材だと思って、一緒にプレイしています。
そういう意味では、着実にイイ感じで階段を上がってるなと、今回の制作全般を通して実感しました。

で、1曲目のOnce Againから間髪入れずに、このOnly If I Couldへ…という流れも、ずっと自分の中にあった作品イメージだったので、その感覚を信じて形にしました。
ヘタすると、今回の4曲の中では、楽曲や音像の完成度では、ベストなんじゃないかな?と思うくらいの出来だったと思います。
最後まで悩ませて貰った(笑)、第1弾のMV曲候補の1つでもありました。


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沢木 優

1967年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。
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