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The Great Journey新作『Treasure Box』~Mix・マスタリング編

沢木 優

・1967年5月12日 福岡県大牟田市生まれ
・埼玉県出身
・血液型:B型
・LINX / 元THE POWERNUDE のドラマー。
・...

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我々LINXの渾身の新作『Treasure Box』。
今月10日に、一般発売が開始されました。
今回は、前回のレコーディング編に続きまして、拘りに拘った【Mix・マスタリング編】というコトで書いていきたいと思います。

今回、最も拘って時間を費やしたのは、このMixでしょう。
基本的に、自分らの楽曲は歌モノですので、何を一番前に出すかと言えば、迷わずヴォーカルというコトになります。
ただ、いくら歌がメインだとはいえ、あくまでロックですので。
やはり、バックの図太いサウンドは不可欠なんですよね。
でないと、いわゆるカラオケソングみたいになっちゃいますから。

まずは、ドラムのサウンド作り。
リズム(ビートですかね)で、エナジーと言いますか…音圧感を出していきたかったので、自分の好きなタイトなアタック感にプラスして、ラウド感と言うか太さをいかに出すか。
この辺りで、かなりの段階を踏んで貰いました。
当初は、従来通りに録り音のみを作り込んでMixしていったのですが、いまひとつパンチに欠けている気がしたので、LINXでは初となるトリガー(自分の叩いたプレイを信号に置き換えて音だけを差し替える)を導入してみました。
とは言っても、在りモノのサンプリングを使うと、いかにも“貼りました”的な音になるし、打ち込みっぽくなるので、今回の録りで自分が叩いたドラムサウンドをサンプリングして貰いました。
ところが!確かに音の安定感やパンチは出たのですが、シンバル系のナチュラルな響きが失われてしまい、これも違うなと…。
そこで、生の録り音とトリガーをミックスして音作りをする方向にしたのですが、コレが大変でした!
この両者の微妙な配分の違いで、全体の音像もかなり影響されるので、幾つものパターンを作って貰い、ナチュラルさを残しつつもパンチのあるドラムサウンドをようやく見つけました。
それと、前作のサウンド作りに於いて、柴田さんから“スネアとヴォーカルの帯域がぶつかり気味かな”とアドバイスを頂きました。
この辺りもしっかりクリアしていこうと思いまして、元々かなりハイピッチなスネアのチューニングを、今回は少しだけ下げました。
それと、ハイハットの音もややぶつかりそうな感じだったので、こちらはMix時にエンジニアさんにお願いして、少しだけ(ハイハットを)低めにピッチ調整もして貰い、定位もやや右に振りました。
定位も含め、極力ヴォーカルのスペースはしっかり確保しよう…という意図です。

ベースに関しては、指弾きの味を損なわない範囲ではありますが、アタック感、ドライブ感をブーストしながら、印象的なフレーズの存在感を出しつつ、バンドサウンド全体の低音部分の太さを、このベースで如何に出していくか。
この辺りで、だいぶ試行錯誤しました。
それと、“Only If I Could”などは、イントロやベースソロ部分など…ベースが主線になるセクションもあるので、ここで低音部分がスカスカにならないように、主線のフレーズとは別にもう1トラック設けて、バッキングのラインを重ねたりしました。
逆に、“Once Again”なんかは、他のパートのバッキングと帯域が被る箇所が多く、なかなかベースラインの気持ちいい感じが出てこなかったんです。
Mixでは何度も何度も音作りを試しましたが、最後のマスタリングでようやく求める感じになり、クリアしました。

ギターに関しては、今回は色々な音色を使っていまして、バッキングやオブリなども複数のパートが重なり合ってギターサウンドを構築していく形だったので、このバランスとそれぞれの存在感を如何に出していくかが、最大のポイントでした。
バンドサウンドの華の部分でもありますからね。
特にバランスという部分では、単に音量だけではなく、それぞれの定位ですね。
コレによって、歌との絡みの印象がホントにシビアに変化してしまうので、特にアコギのバッキングの定位などは、あらゆるパターンを試しました。
歌に絡むソロなんかも、歌の邪魔はせず、でもギターの存在もしっかり出したいと思っていたので、この辺りにもだいぶ神経を使ったかなぁと思います。
メタルのギターなんかは、真ん中でガンガン鳴ってる形もありますが、自分らに関してはギターソロ以外は、左右に振って空間を目一杯活用するようにしました。

そんなこんなで、Mixに於いてはトータル7回くらいは、音の組み直しをして貰ったかなと思います。
マスタリングは、前回の反省を活かして、Mixでほぼ理想の形にして貰えたので、あまり時間をかけていませんが、それでも3回くらいはやったかな(笑)。
ホント、普通のエンジニアさんだったらブチ切れてるんじゃないかな?と。
昔から我々の音を作ってくれているエンジニア・山田さん!!
そして!マスタリングエンジニア・橋本さんには感謝!感謝!です。


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・1967年5月12日 福岡県大牟田市生まれ
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