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Logo Mark歯を磨く様に演じる宇宙人と私達、現代人

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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先日、宇都宮にある映画館で『UFO真相検証ファイル Part1 戦慄!宇宙人拉致事件の真実』を観た。勿論、宇宙人の映像が沢山出てきた。そう、あのつるんとした頭で、目が大きく、口のしょんぼり小さく、ストーンフェイスで、二足歩行をしているやつだ。その宇宙人と遭遇し、拉致された人がいる。
その人の話では、どうやら宇宙人は現人類を敵対している訳ではなく、人間の未来を心配して、捕獲し、データをとり、分析しているのだそうだ。
宇宙人。SFの中では地球以外の星から来て、なんて設定になっているが、果たしてそうなんだろうか。宇宙ねえ。
現在のこちら、地球にある宇都宮の状況はというと、学校の給食では校内放送は流れるだろうが、無言の時間だ。以前の給食は、小学校低学年なんかはしゃべっているのか食べているのか分からない楽しい時間だったのに…。
『おしゃべりしてないで、早く食べなさい!』と叱られることもなく、無言で完食。
子供達と遊んでいて、いや違う、仕事をしていて子供が戯けて、“あっかんべー”をしても、マスクをした顔に目だけ下に引っ張ってちゃパンチがないし、腹もそんなにたたない。やっぱり大きな口から堂々と長い舌を出し、あっかんべーと表さないと絶対、迫力に欠ける。
生物にとって口は栄養を取り込んだり、動物なんかは相手を威嚇したり、人間は人間しか出来ない表現をするパーツ。
『大丈夫か私達の口の未来⁉︎』
コロナ禍になり、人と話す機会も減り、大声を出す事が宜しく無い時代。どうやら食べ物も昔と比べ、柔らかい物を好んで食す様になったそうで、顎も退化しているとのこと。
このままでいくとやはり宇宙人のあのおちょぼ口は私たちの未来の姿かも。
もし、そうなれば、意思疎通がどうなるだろう。映画の中でも宇宙人に遭遇した人が話していたのだが、彼らは話しかけられている内容はわかったそうだ。言葉じゃなく脳に直接語りかけられて。見えないメッセージを頭に向けて打っている様なものなのか。味気ない文章になるんじゃないかな。
「今日〇〇さんから依頼の電話あり。折り返し電話お願いします。鵜飼受」
こんな感じ。 電話もないか…。
いやぁー、もっと言いたいなぁ。私では手におえないからそっちに回したんだとか、その人がこんな無理を言ってきたとか。
以前、私がマネージャーをしていた飲食店でパートの女性が厨房器具が壊れたのを電話連絡してきた。私は素早く対応するために何がどう壊れたかと聞きたかったのだが、彼女はこんな状況でこんなに大変だったんだと長い時間をかけてまず話し、すっきりしたところで壊れたときの状態、壊れた箇所の話を最後にちょろっとした。
私が、彼女の前にいたら口も手も体も、全身使ってその自分らが大変だったということを話したんだろうなと想像する。ちょっとププッと笑みが出る。
そうなのよ、そうなのよね、人間って。
口。使わないから小さくなって、現在描かれている宇宙人の口の様になる。話したい事は、脳に電波で必要事項のみ伝える。宇宙人的の進化した人の中に私がいたら、もっともっと落ちこぼれるだろうなぁ。役者って仕事もないかもね。
だって、メールで相手に物事を伝えるってすごい難しいなと昨日も思いながら、何回も何回も伝わらないメールを送受信しているのだから。
宇宙人かあ、宇宙人。私たちの未来の姿⁉︎ そんなことを時々思ってしまう自分がいる。
『宇宙人よ! 私もあなたと同じで現在の人間の未来が心配である。』

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鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
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