2025/03/22
本番の1ヶ月半位前になると「本当に芝居が完成するのだろうか」といつも不安になる。これは30年位前、私が芝居を始めた頃からそうだった。しかし、必ず出来上がっているのだから、今回も完成するのだ。
1つ1つ積み上げていくと最終的には完成している。
今回も演出&大道具小道具&雑務一式を担当している私としては、役者が触る小道具、大道具を出来るだけ早めに用意したつもりだ(台本を離していないと小道具が使えなかったりもするのだが…)。
そこで、気付いた事がある。今回、ある道具を使って釣りをしながら、台詞を言うシーンがある。勿論、事前に私がやってみて特に問題がなく当たり前に使えたのだが、まず、釣り糸を巻くところで既に上手く扱えなかった方がいた。道具としては確実に巻き取れるし、説明も十分したつもりだ。道具を使う場合、どの様にしたら上手く使えるかを自然と考えるすべを身に付けてしまった私にとって、まさかそのスタートでつまずくとは想定外だった。
また、ここのシーンもこの台詞で動かして釣り糸を調整しようと何気にやってしまう私にとって、慣れない方の難しさがわからない。「ちゃんと巻く、そしてこの台詞の時には釣り上がっている」だけの事なので、
「練習してくださいね。」
としか言えない。
台詞を言いながら動作をするのはとてもハードルの高い事だと、今になって気付いたわけで有る。
また、台詞を覚えるのもそうで、数年前、なかなか台詞が入らない方がいて、
「覚えてきてください。」
と言いたいのだが、私が言えずにいたら、その方が道具に対して意見を言った時、他のメンバーが、
「そんな事を言う前に、台詞を覚えてきてください。」
と言った様で、それを私より1回り年上の知人に話したら、
「覚えないんじゃなくて、覚えられないんじゃないかなぁ。」
と教えてくれた。
確かに年齢が上がると、記憶力含め、体の使い方も上手く出来なくなってくる。
これがプロの劇団なら、さらっとその台詞や見せ所の動作を他のキャストに奪われてしまう。立ち位置なんかも目立たない所に追いやられ、それでも駄目なら出番が無くなる。
私も似た様な経験がある。プロの劇団に入って間も無い頃、芝居の幕開きの台詞を私が言う事があり、台詞は間違えてはいないのだが、幕開きらしく、これから芝居が始まるぞとワクワク感を乗せて言えなかったものだから、先輩役者にその台詞はまわってしまったのだ。今ならこう言って欲しかったのだろうとわかるのだが、その時の私にはわからず、悔しさだけが残っていた。
しかし、ここはシニア劇団で、芝居経験なしでウエルカムと募集している。出来ないから、台詞が覚えられないからその人を弾くのは避けたい。
「どうにかその役者も舞台に立ち、お客様と共に楽しんでもらいたい。」
そんな思いがあり、演出含めまだまだ試行錯誤中である。
それと、こちらは高望みかもしれないが、出演者が皆舞台上で存在して欲しい。どう言う意味かと言うと、現実の世界では「台詞+動き」がそう言う風にならないのだが、舞台に上がると台詞を言いながらただ単に動かしやすい手を動かしているに過ぎず、現実味のない演技になっているのをよく見かける。これはシニア劇団に限ったことではない。良い方の見本が小学校低学年の子供で、自分の気持ちを言葉と体を使って表現している。成長していくとどうしてかいろいろ省エネとなり、舞台では心と体が台詞についていかず、よく動く手だけに託される演技となるのだ。
そうはしたくない。シニア劇団だって素晴らしい物を作りたい。
そう思いながら残りの時間を自分と葛藤しながら公演当日まで進んでいくのである。
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芝居を支える音楽・音響
日時:2025年4月20日(日)
(1) 11:00開演
(2) 14:30開演
※入場は開演30分前
場所:アトリエほんまる
栃木県宇都宮市本丸町1-39
料金:1,000円
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