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Logo Mark歯を磨く様に演じるOnly One の芝居作り

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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SMAPの曲に「No.1にならなくてもいい、もともと特別なOnly One」なんて歌詞がある。これをこれまでは、
『うんうん。そうだそうだOnly Oneはいい。』
と同意を持ち軽い気持ちで聞いていた。
しかし、以前の私の心持ちとは裏腹に、Only Oneはそんなたやすい物ではない事に最近気がついた。もともと特別なOnly Oneではなかったのかもしれない。残念にも。
いや、解釈が違っていたのかもしれない。
Onlyが“唯一の”ではなく“たった1人の”で、アメリカのコーラス・グループ「プラターズ」の代表曲『Only you』の“あなただけ”と切望されてるOnlyでは明らかになくて、たった1人残されてしまったというOnlyだと思っている。
今回一人芝居を公演する事になっている。特に演出も誰かに頼む訳ではなく、自分でする。1人でスタートするといろんな事を1人で抱え込む事になる。軽い気持ちで1人でやろうと決めてしまったもので。
演目は何か、いつどこでやるか、チラシのデザインはどうするか、どういう方向で見せるか。集客しなきゃ!
決めて進めていかなければいけない事は山程ある。
『全部自分の好きな様にやれるからいい〜!』
なんて意見もあるが、私の場合は大分違う気がする。
小さな事でもすぐ悩み出す。考えている時間が長いというより長すぎる。
ここの舞台は何で作ろう、木材?テープ?立体?平面?
これが決まっても色は何色、床がグレーだから白が綺麗な気がする。でも、見えづらい?
これが延々といろんな場面で続いていき、挙句の果てに、思考回路が働かなくなり、眠りにつく。
思考回路が働かなくなるのもこの時ばかりは有難い事なのである。
知人であるお姉様は、
『鵜飼さんは、今回の公演も気軽にやっているんだろうね。』
なんて言ってくださるが、そうは見えても実際はとんでもない。
数年前の公演時のこの様な時もある方に『どーしよう〜!』って話したら、
『どうしようもなくなった事ないくせに。』
と返されてしまった。確かにどうしようもなくなった事は無い。
でも、自分1人ではなく、演出だろうと芝居の相方だろうと誰かいてくれたほうが心強い。もしも自分以外の人が実際には何かをしてくれなくてもだ。
そう思いつつも、もし、今回、1人でこれが出来たら何か新しい事が見えてくる様な気もしている。
今回の一人芝居公演は最近オンラインで習っているパントマイムも取り入れるつもり。
初めて三味線をたたいたときもそうだった。初めてポールダンスをやった時もそう。芝居で使うので必死で練習した甲斐あって上達出来た。パントマイムもそうなるはず。
朗読の講師をしている時も講座生に、
『発表会があると上手くなりますよね。』
なんて言っている私。それと同じである。
今回の公演、有難い事にお客様の予約も大分入ってきた(でも、まだまだ、予約出来ますよ〜!!)。
先日は新聞社の方が取材にいらしてくださった。
もうやれるだけやるしか無いのだが…。
いろんなことで迷った時、自分は誰かが私に相談した時のように自分に聞いてみることがある。
質問している私『どうしよう。』
返事している私『順序だてて、まーやれるだけの事をやれば、出来るんじゃない?』
やっぱり、そうだよね。

鵜飼雅子一人芝居『モノロオグ』

11月27日(日) 14:40開場、15:00開演 お申込みは、携帯電話のメールアドレスはPCからのメールが受け取れないことがありますので、下記のものをご記入の上、PCメールでお申込みください。
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舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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