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Logo Mark歯を磨く様に演じる沢山頂いた形なきプレゼント

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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これが掲載される頃には“クリスマスなんてもうとっくの昔に終わったじゃん”なんて事になっているんだろ。
季節の節目節目にいろいろなイベントが開催され、町やお店が盛り上がり、そのイベントに参加して楽しむのもそれはそれで面白いし良いのだが、やっぱりその節目節目の時期に舞台公演をしたり、また、ゲストに呼ばれたりする方がワクワク心が躍る様になってきた。私にとってはその方が刺激的なのだ。
コロナ禍になる何年か前にはクリスマスに公演が出来ないなんてと思ってクリスマス作品を書いてもらい勢い込んでニ人芝居を上演した。
だって、ある有名どころでは『クリスマスキャロル』や『森は生きている』を毎年クリスマス時期に公演するのが当たり前の様になっていたし、それが少々羨ましかったわけで…。
その一方で、何処から聞いたのかは忘れたが、
『クリスマスに公演しても人が集まらないよ。』
なんていう嘘か本当かわからないそんな台詞が心に引っかかっていて、なかなか最近は自分からクリスマス公演をするという一歩が踏み出せないでいた。
2022年のクリスマスももう目前に迫っている。そんな時、知人に、
『クリスマス公演をするって言ったら観るかな(観る人いるかな)??』
との私の曖昧な問い掛けに、
『私は観れるよ。パッとやってその後次の仕事に行ったらいいんじゃない。』
なんて軽く答えてくれたものだから、私も念願のクリスマス公演を気軽にやる事にした。
まずはオンラインのクリスマス公演。作品は自分がみている朗読講座で発表会をした時に使ったオー・ヘンリーの『賢者の贈り物』。
これは少し理由があって私もどのみち練習をしなければいけない作品だった。
その後公演が決まったのが大田原のカフェ。個人経営のカフェはこのコロナ禍で経営がとても苦しいと思う。それでも快くよんでくださり、公演をする事になった。本当に有り難い。お客様方はそのカフェを気にかけていたり、懇意にしている素敵な方々。オーナーさんが一生懸命声をかけお誘いしてくれた。
私としてはクリスマス公演をやりたいと思っていたし、カフェのオーナーさんも、
『鵜飼さんのは絶対やりたいの。』
と思っていてくれて、見事実現した。
お客様も『素敵なクリスマスになったわ。』とこの上ない言葉をかけてくれた。
クリスマスには有名店のケーキを食べたり、優雅なホテルやレストランで過ごすのも素晴らしく素敵だと思う。
しかし、クリスマス公演が開催出来たり、と皆さんからの形のないプレゼントが私にとってとても価値があり、何よりの贈り物なのだ。
それにはおまけも付いていて、オンラインのクリスマス作品を12月24日当日には観られないので、アーカイブや配信はあるかの問合せも今まで以上に頂いて、軽い気持ちでスタートしたオンライン公演がなんとも膨れ上がって自分でもびっくりしている。
2022年、自分の誕生日プレゼントは一人芝居の公演で、クリスマスプレゼントはクリスマス公演。
こんなにもらってしまうと2023年はどうしたら良いかちょっと困ってしまうところではあるが、
『欲望は爆発だ!』とまではいかないが、
『うーん爆発させたいです!』
くらいには言いたい所である。
2023年はどうしよう?? そんな事を2022年年末、考えている。

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鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
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