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Logo Mark歯を磨く様に演じる80歳になる前に何か始めようと思って

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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4月からシニア劇団の次回公演に向けて基礎練習をスタートした。前回は参加したが今回はお休みという方もいる一方、新しい方も3人加わりいつもの様に賑やかな感じになった。
新人さんの1人は若い時芝居をやっていた方で、あとの2人は朗読を現在も習っている。その中のお1人は私のやっている“アトリエほんまる朗読会”に毎月参加されていて、声がよく出てハキハキとしているので、ずっと芝居をやったら良いのにと思っていた。そしてたまに、
『お芝居やりませんか?』
のラブコールを送っていたが、
『台詞を覚えるのがねぇ』
と言って、なかなかいい返事がもらえなかったが、やっと、
『私が書くので台詞は調整出来るし』
という事で、今回から参加する事になった。
最後のお1人は、
『お芝居、やってみたいんです。』
と前回の公演の電話予約の時にお話をされていた。公演終了後お声がけ頂けるかなと思っていたが、それはなかったので、心配しながら後程こちらからお電話した。
どうやら公演時は、私が忙しそうで声をかけられなかったようだ。
さて、電話口でのお声は、とても聞きやすい優しい声で、
『あのー、私、年齢がだいぶ上なんです。』
『一言でも二言でも…。(お芝居)やってみたいんです。』
そんな話をされた。年齢を伺うと、
『79歳です。』と。
電話口の声は年齢より随分若く感じられ、とりあえず、
『4月に新しい方もいらっしゃるので、見に来ませんか?』
とお誘いした。年齢的にも体力的にも大丈夫かなとの不安もなくはなかったが、その時はその時だと言う事で。
初めてお会いした時の姿は私の想像していたイメージとはかけ離れ、とても若々しかった。物怖じせず自己紹介をされ、呼んで欲しいあだ名も自分から教えてくれるとてもチャーミングな方だった。
基礎練習ではインプロといわれる即興ゲーム的なワークやコミュニケーションワークなどをやったのだが、どれも今いるメンバーと共に楽しまれており、終了した時には、
『私、やります(入団します)。』
と笑顔付きの言葉を頂いた。
彼女が帰った後、皆に彼女の年齢が“79歳”である事を伝えると、(そんなに年が上には見えないと)声を出してとても驚いていた。
4月から数えて3回の基礎稽古をやり、皆と同じ事を同じ様に楽しそうにやっている姿を見ていたら失礼かもしれないが、自分が年齢を聞き間違えたと思わずにいられず、再び、
『すいません、お幾つでしたっけ?』
とさりげなく聞いてみた。
するとやっぱり『79歳です。』との返答。聞き違いではなかった。
『80歳になる前に何か始めようと思って』
昨年入った男性が、
『定年したらやりたかった芝居をやろう!』と思い入団し、今年シニア劇団スターライト第3回公演に参加した。その彼は『80歳まではやるつもりです。』と言っていた。
これにも驚いたが、80歳目前で、よりによって芝居を始めるとは…。
私もまだまだいろいろチャレンジしなくてはと思ってしまいました。

6月3日(土)14:00〜オンラインzoom公演・海野十三『ある宇宙塵の秘密』

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舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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