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Logo Mark連載記事

Logo Mark歯を磨く様に演じる企画者であり演者

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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イベントを主催するのは大変だし、経費もかなりかかる。そして私の計画するものは最近、芝居に関したものが多い。勿論、演者は自分なのだが、公演前はテンションアップとはいかず、
『あともう少ししたら解放される!』
と考えているわけである。
演じる事に関しては通常営業的な感覚で、台詞を覚えて、共演者と合わせて、満席のお客様のお顔を拝見しシャキッと演じ、終演。これはある意味ルーティンで祭り事ではない。
前回も午後公演で演じ、その後ラジオの放送に入ったら、公演にいらしていたお客様から、
『ラジオから鵜飼さんの声が聞こえて不思議な感じがしました。』
とメッセージが届いたのである。確かに観客にとっては可笑しな感覚かもしれない。
大変なのはその周りの諸々の事。宣伝に行ったり、チラシを作ったり、共演者とスケジュールを合わせたり、大道具を考えたり作ったり、その他いろいろと力が、自転車のタイヤに小さな穴が空いた時の様に徐々にそれらによって抜けてしまうのだ。
これは私だけではない様で、ある女優さんも公演前にどちらかに宣伝に行かれる途中お会いした時(SNSや放送では元気なにこやかなお顔をしていられたが、実際は体調不良の様に見受けられたので)少々オブラートにつつみ「痩せました?」と聞いたら、
『最近、食べられないんです。』
との事。やっぱり。
毎年毎年やっていくとどんどんやる事が大きくなっていく。ベイビーステップも、いくつもいくつも繰り返し上がっていくと振り返ると案外高いところに立っている。お客様もより良きものを望んでいるだろうし、自分もここまで出来たから次はこれをしてみようと思う。ストレスもどんどん大きくなる。
さて、皆さんどうしているのだろうか?
ある本か何かに、面倒くさい事をやる時のやり方のアドバイスをしている文言があり、
“やらなきゃ!やらなきゃ!と一生懸命考えない”
なんとなくやるのだそうだ。脳はこの様な脅迫に対して強い拒否で返してくるらしく、なるだけ脅迫せずするのが良いのだそうだ。
勿論、全ての事が“楽しい〜‼︎”と思って出来るに越した事はないが、そんな事ばかりではないと思われる。
話は変わるが、不思議な事に、苦手な事って案外自分にとって得意になったりする。性格にもよるかもしれませんが。
ただし、苦手だからやらないという選択ばかりしているとそうはいかないが、今回上手くいかない→どうしたら上手くいくんだろう、そう考えて物事をやっていくと1度や2度では上手くはいかないのだが、何度かやっているうちに、上手くいくようになったり又、上手くいかない原因がわかったりする。
こうなると面白い。今までもそんなことばかりで、今も続けている事は、昔、苦手だった事ばかり。
コンプレックスだった声、どうしても上手くいかない演じる事、“私が作文を書くのが苦手な理由”と自由題材の作文に綴った文章。
だからルーティンの様に続けていけば、イベンターみたいにはスマートには出来ないが、演者と企画者2足の草鞋を履いてもう少し上に登っていけるかもしれない。
そうなるといいなと思う。

オンラインzoom朗読舞台公演 芥川龍之介『運』

2024年2月24日(木)14:00開演
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舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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