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Logo Mark連載記事

Logo Markなにか創るとうれしくて入れ込んじゃったのね…とほほ〜からのライヴでどうすればよかったのかという今さらの反省

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者
YouTube「うさぎのうみちゃんねる」のおじぃ
YouT...

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 この連載でも時々書かせていただいたことがありますが、昔「クリムゾン・シャア」というバンドをやっていたことがあります。まぁ今と違って髪も長くてね(涙)、赤い和服に袴なんか履いちゃって、歪んだギターゴリゴリのメタルな音出して、で、ちょっと変拍子なんかも入ってて、で、暗くてちょっと怖い曲やステージ演出等をやっておりました。
 時期的にはもう大昔です。1999年解散ですからもう24年(!)も前の話なわけですよ(そりゃ髪の毛も無くなるわけだよねぇ…)。で、普通に考えれば若かりし頃のいい思い出じゃないですか…ね、まぁオヤジによくある話ですけど自分の脳内ですっかりいいように変換されてなんかものすごくいい思い出に書き換わったりしてるものです。
 それなのにね、突然その頃のライヴ・ビデオを観せられたんですよ。(これ実はけっこう前の話ではあるんですが)ドラムだった稔さんから送られてきましてね、まぁその時点で嫌な予感はしてたんですが一応という感じで観ちゃったんです。
 結論から言えばああ観なきゃよかった…ですねぇ。久し振りに凹みました。なににって自分の下手さに。いや下手さというかそれ以前の雑さに凹みましたねぇ。これはひどいわぁ…。

「もうちょい落ち着けばいいのになぁ…。」
 観ていて思った率直な感想です。当時の自分に言ってやりたいです。
「オ・チ・ツ・ケ!」
…まぁ言っても当時の自分はバカだったから聞きゃしないかもしれないけど。
 パフォーマンスにおいてライヴとしての迫力はあるんですよ。表情なんてずっとものすごい形相で客席を睨みっぱなしだし、歌ってない場面ではほぼ頭振りまくりだし、歌ってる場面ではもうほぼフルスロットルなでかい声を出してるし…そんなことしてるからプレイがグチャグチャになるんだなぁ…。だって手元見えてないでしょ。頭振りすぎて意識朦朧としてたなんてことも多かったし、喉のペース配分も考えないから後半になるともう疲れ切っちゃって特に高音が上がり切らないなんて感じだし…明らかに息切れしてるもんね。右手ぐ〜状態でガ〜っと振って速弾きしてたり…コントロールなんてできてるわけないよなぁ。なんか、サッカーで昔の日本代表がよくゲーム終盤で足が止まってしまったような状態も連想するなぁ…です(そんなにすごい話じゃないけど)。
 その点、他の3人はちゃんとしてるよねぇ。ドラムの稔さんは原則としていつも冷静だし、キーボードのぷりしらさんはそもそもあまり動かないから体力を使わない。自分と似た立ち位置…というか、曲間の語りも合わせたら自分よりも大変だったはずのベース・ヴォーカルの大介さんはあまり無茶な動きもしないし、途中でちゃんと抜く場所を作ってる…なんで自分はこうぐが〜っと行きっぱなしだったのかなと。まぁバカだからそれがロックだとでも思ってたんでしょうなぁ。

 でね、ここで思うのは、ちゃんと両面を表現できるようになるための訓練が重要だったんじゃないかなぁということなんですね。
 ライヴでの迫力は本当に重要です。ライヴ観て、そこでなんの印象も残らないバンドや、すぐに忘れちゃうようなバンドがたくさんいる中で、なんとかしてそうならずに、どのような印象であれ、その場で強いインパクトを感じてもらった上でそれが後々まで記憶に残るようなパフォーマンスをするってことは、これはもうとにかく第一優先だろうと今でも思うんですよ。だってそれができなきゃライヴなんてやる意味がそもそもないでしょ…と思うんです。
 ただね、そのために、こりゃダメだと思われるような演奏をしてしまうのはマズいなと思うわけです。
 当時の自分たちの状況を考えれば、テクニック的にはまぁ下手くそと言っていい腕だったのは間違いがないんです。歌も、演奏も、まぁ演奏力という意味では上には上がたくさんいて、とてもじゃないけどそこで勝負することはできないという感じでした。じゃあどこが秀でていたか。端的に言えば考える力だったと思うんです。曲を作るために考える力。ステージ構成を考える力。ブランディングを考える力。それを表現するための手法を考える力…。結果、他のみなさんとはだいぶ毛色の違う曲を作っていたと思いますし、おかしなステージをやっていたと思いますし、その際に着るものやロゴ、色構成、配布物の編集、等などもだいぶ考えてたと思いますし、そして、ファンクラブやら会報やらポイントカードやらグッズやらメディア展開やら当時まだ珍しかった動画作品制作やら…その辺が強かったと思います。
 なので、超完璧な演奏をすることは第一義ではない(てかできないw)。しかし、ポイントを押さえることで演奏力の至らない部分をもう少し補完することはできたかもなぁということなんですね。それがちゃんと両面を表現できるようになるための訓練の重要性ということかなと思います。

 じゃあどうすればよかったんでしょうねぇ。こんな風に考えます。
 もっと細かく部分をセパレートして、それぞれの部分における重要性をきちんと規定していくということまで突っ込んで決めていく。そしてそれがちゃんとできるように訓練するってことですかねぇ。そんな取り組みが有効そうと思います。
 例えば、迫力を見せつける場所はどこかを決めます。とにかくそこはもうテンションMAXです。手加減しちゃいけませんね。さらに、演奏のキーポイントとして絶対にキメなければいけない場所はどこかも決めます。そこはもう絶対に失敗しちゃいけない場所として演奏に集中します。さらに、これらだけではライヴ全般を乗り切ることができないわけですから(できてたらあんな酷い演奏にはなりませんもんねw)、どこで抜いて体力や意識を回復するかを決めます。なんてことをちゃんと決めた上で、それがちゃんとできるようにする。できるということは、少なくとも頭の半分は冷静であることによって迫力が削がれるようなことがないということですし、迫力を出すためにキメなきゃいけないところで外すということがないということですし、ライヴ終盤で息切れしてしまうということもないということですね。それらすべてを満たすことができるようにするってこと。

 これ、今自分がだいぶ歳も取って客観的に見ることができてるから思えることだなぁ。当時の自分が自分でこれに気付けるとは思えません。だってバカだったし、基本的にいっぱいいっぱいだったし…ね。とすればやっぱりプロデューサー的な立ち位置の人の客観的な視点が大切だったりもするのかなと思いますねぇ。本人が気づけないことについて気づいてくれる人というだけでも本当はありがたい存在なのかもなぁ。
 もちろんこれも、本人に聞く耳がなかったり、もっと良くなる気がなかったり、またはその客観的な立場の人に、その当人に寄り添う気持ちがなければ話にならないでしょうから、なかなか難しいご縁ということになるのかもしれないけれども、でももしこういうコラボレーションが実現していたらもっと早くにいろいろなことに気づけて、もう少しまともな状態になってたかもなぁなんて思います…まぁバカだからそのアドバイスを素直に聞けなかったかもしれないけど(大切なことなので二度言いましたw)。

 ということで、こんな数々の失敗も踏まえ、今ならだいぶいろいろなことが分かるようになったなと思います。もしそういう存在が必要という方がいれば相談に乗りますので是非ご連絡ください。
 まぁ自分もまだ次の作品を作ってたりしますからね。こういう経験を踏まえて、できれば過去の自分は軽く超えていけるような作品を作っていきたいなと思います…あ、ライヴはね、今ちょっとやれる気がしませんけどw…メンバーいないし、体力なくなっちゃったし、ハゲちゃったしT_T

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※ちなみに写真は近所の田んぼ。
 とってもきれいな夕焼けが、まだ幼い稲の田んぼに反射してきれいでしたっけ。
※使用カメラ&レンズ:Canon EOS 6D + EF24-70mm F2.8L II USM

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