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Logo Mark田舎暮らししながら世界に向かって音楽を配信しつづける人の話子連れプロモーション決行!

eastern bloom 小島美紀&崇

小島美紀

eastern bloom ボーカル
岡山県出身。ミュージカル俳優を目指して上京した後、ボーカリス...

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崇:はい、第6回です。

美紀:はい。

崇:前回は「テレビが衰退したのはテレビのスピーカーのせいではないか」という話だっけ?

美紀:そうだったっけ?

崇:2Kとか4Kとかグラフィックを追求するのは当然かもしれないですけどー。

美紀:うん。

崇:映像をどうカッコよく見せるかというデザインに拘ったが為に、スピーカーの小型化が進んでしまい、結果として換気扇とかの音で、もうなんかすごく音が聞き取りにくくなるという現象に(うんぬんかんぬん…)。

美紀:はあ。

崇:んで、あらすじとか分かんなくなって、(うんぬんかんぬん…)テレビが衰退したのは音をないがしろにした罰です。

美紀:で、本題にもどりますが、(爪を切りながら。全然乗り気無し。)子供が生まれてから完全に音楽離れした生活をしていたんだけど。

崇:はい。

美紀:富澤一誠さんからの連絡があって急にアーティスト活動が始まったんだよ。打ち合わせだの、取材だの、収録だのに呼ばれるんだけれでも、子供預ける当てもなかったので…毎回「子供連れて行ってもいいですか?」って聞いてみた。当時、「3歳までは子供はお母さんを必要としている」っていう考えを支持していて、職場に子供を連れていける仕事がもっとあるといいなぁと思ってたんだよね。

崇:どこの現場も赤ちゃん連れてきていいよって言ってくださるので、ベビーカー持参でそういう現場に行ってた。

美紀:今考えると有難いことだね。常に空いている人が面倒みてくれて。助け合い的な感じがなんかいいなぁと思った。

崇:有難かったです。

美紀:その流れで頂いたCMの歌の収録の時なんかも、子供連れで行ったんだよね。

崇:ほう。

美紀:子供が録音中に「ママー」ってあまりにも泣いちゃうから、試しに録音ブースに入れてみようかということになり。

崇:入れてもらっちゃった。

美紀:そしたら、もらってたせんべいを遠慮なく食べ始め…「パリン」「ポリン」と響きわたってしまうんだけど、プロデューサーが「はい、録るからねー」っていうと、私の隣におとなしく立って、静かに待っているの。

崇:ははは。

美紀:それで無事に録音できた。忘れられない貴重な体験でしたね。テレビはダメだったけど、ラジオは必ずブースに入ってたね。

崇:皆なにか喋るのを期待してたけど、意外と喋らなかったね。

美紀:子連れプロモーションが若干ネタになってたね。

崇:忘れられないエピソードと言えば、テレビ向けのPV撮影の時のこと。

美紀:ああ、清里で撮ったんだよね。

崇:昼食のあと、休憩してたら、息子がおもむろに空き缶拾い始めちゃったのです。

美紀:そうそう。よく見たら、いっぱい落ちてるのよ。で、大人たちは見て見ぬふりもできなくなり…スタッフ総出で空き缶拾いとなってしまったんだよね。

崇:ゴミ袋いっぱいになったね。帰り、みんな「なんか、いい事したよね」とか言ってましたな。

美紀:清々しい気持ちになったと思う。

崇:テレビと言えば、その頃、とある会社で正社員やってたんだけど、取引先の人が我々が出てた番組を見てたらしくて。

美紀:はあ。

崇:会社に問合せの電話が来ちゃったんだよ。

美紀:…。

崇:「小島さんテレビ出てたんだすけど、どうしたんですか?クビになったんですか?みたいな。」結局、副業は社則違反ということになり、その場で「論旨(ゆし)解雇」を言い渡されました。

美紀:なんかそんなことあったね。

崇:全然気にしてねえ。肝っ玉かあちゃんだな。路頭に迷うとかそういうのは思わなかったですか?

美紀:心配したことを覚えていないので、心配しなかったんじゃん。

崇:まあその時の上司がいい人で、結局その会社でフリーランス契約して引き続きお世話になったんだけどね。こういうケースって失業保険どうなるんだろうね。

美紀:そんなことはいいです。

崇:ちなみに、仕事の都合上で職務経歴を話さなきゃいけない時に、ここのクビになった部分をそのまま説明するんだけど、これが結構ウケるんだよね。皆さん覚えてくださるのよ。

美紀:ふつうはそこ、ダメなところだよね。それよりプロモーションで忘れられないエピソードがもう一つ。

崇:ほう。

美紀:デビューに際して、大手某レコード店が全面バックアップするということで業界誌にもデカデカと「○○はイースタン・ブルームを応援しています。」というのが出ていたんだけど。

崇:おおっ!

美紀:ということでCDリリース後、都内のそのレコード店に行ってみたら…。

崇:おおっ!

美紀:全然応援されていなかった。orz

崇:わー!

美紀:面置きすらされてなかった。

崇:笑える! 僕も何かの間違いかなと思って、他に何件か行ってみたんだけど、どの店も「ボニーピンク」1色でした!

美紀:!!

崇:あれはもしかしたら「がっかり高低差」人生で一番だった事件かも。

美紀:あのときレコード会社が用意していたポップやらはどこに行って、どうなったんだろう…。

崇:残念でした。世の中そんなに甘くありませんね。別の大手某レコード店においては、「民族楽器の要素があると売れないから取り扱わない」とはっきり断られたらしい。

美紀:あぁ…。

崇:あの頃はもうCDの売り上げがどんどん落ちて行ってた頃だから、もしかしたら、子連れ新人に予算を割く余裕がなかったのかもしれないね。

美紀:結局そのレコード会社も別の会社に吸収されたしね。

崇:そうでした。

美紀:まあそんなプロモーションでがっかりしている内に、電話の鳴る前の生活にに戻っちゃたね。でもさ、今思えば、子連れでプロモーションってスタッフの方々にはとってもご迷惑だったかと思うけど、子供のお陰で場が和んだし、私たちとしてはすごく子供に助けられたなぁって思う。

崇:じゃあ、今回はこの辺にしておきますか。

美紀:はい。

1st. アルバム「Capyba-land」

seastern bloomのデビューアルバムとして、2004年5月トライエムよりリリース。
当時初のポップアップCD仕様となっている。
現在、廃盤にはなっていないが、生産されていないため、Amazon等から中古で入手するしかない。
価格は500円から5,000円を行ったり来たりと流動的。1,500円位だったら、間違いなく買い! というか、買ってください。

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