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Logo Markなにか創るとうれしくて架空のCMソングを作っちゃうという滝本リオさんのアプローチが面白い!

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者
YouTube「うさぎのうみちゃんねる」のおじぃ
YouT...

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 シミズの中に強力なインパクトを残しているアーティストさんを紹介するシリーズ、今回は滝本リオさんです。
 滝本リオさんの紹介情報はこちらのページをご覧ください。
 アーティスト紹介・滝本リオ
 滝本リオさんは、楽曲を作りご自身で演奏もするしDTMで面白くもしたり、場合によってはボカロも使うし、あらゆる方法で楽曲発表するミュージシャン。SHIROKUMA RECORDSというレーベルも主宰し、多くのアーティストさんと組んだ活動もしています。

 そんな滝本さんと知り合ったのは、私たちが「Spinart(スピナート)」を始めたばかりの2019年だったかと思います。滝本さんがまだ別名義で「西東黒猫屋」というユニットをやっていらした頃、当時私がパーソナリティーを担当させていただいていたネットラジオ「わくわくWOORKStyle」の楽曲紹介コーナーで紹介させていただいたのが始まりだったかと思います…この時紹介させていただいた「がらくたぽっぷ」という曲もいい曲だったなぁ。
 アーティスト紹介・西東黒猫屋
 ※「がらくたぽっぷ」を紹介させていただいた際のラジオ音源も聞けます。

 そしてその後ソロになりまして、何度かアーティスト名を変えたりしている最中に、今回取り上げさせていただくその曲を聞かせていただきました。その曲名はシンプルに「カルピス」。この名前だったらもうそりゃああの日本が誇る伝統的乳酸菌飲料しかありませんよねぇ。正直おそらく登録商標なはずなので、このタイトルはヤバいんじゃ?…なんてことも頭をよぎりましたが、ご本人曰く、
「マジでカルピスのCMソングを作るつもりで作った。」
しかも、
「カルピスさんの公式Twitterにも送ってみた。」
と言うので、それならそれは面白いんじゃないかと、そのまま紹介させていただきました。

 聞いてみるとこれが本当に面白い。リズムも、口で歌っているリフも、バッキングの雰囲気も、本当に面白い。なんとなくちょっとインドっぽいちょっと民族的な雰囲気を感じさせるんです。そして歌詞がまた面白い。カルピスあるあるの宝庫だし、ちょっとライバル飲料をディスってみたり、本当に面白い。で、なにが面白かったかと言うと、実はこの曲を聞いてから私の頭に「カルピス」の語が完全に刷り込まれまして、それは横で聞いていたうちの家内(YouTube「うさぎのうみちゃんねる」のおばぁ)も同じで、その後うちの冷蔵庫には実に20数年ぶりにカルピスが入り、なんとその後、ほとんど常備されていると言ってもいい状態になりました…これすごくない? オフィシャルのCMよりよほどインパクトがあったって話ですよ(長澤まさみさんはすごい女優さんだと思ってますけど)。

 とまぁここまではちょっと昔話というか…数年前のことを思い出しながら書いている次第ですが、そんな話をなぜ今取り上げるのかと言えば、ふと、この「最初から〇〇のCMソング」を狙って曲を書いちゃうという手法が面白いなぁと思ったということなんです。
 いや、正直自分はやったことがありません…まぁ、CMに使えるような作風の曲を書いたこともないんですが、もし自分がそれをやってみるとしたらどんなことができるだろうなぁと想像すると、これがけっこうハイレベルな思考を必要とするのではないかと思ったりもしたんですね。

 まずそのCM対象のことをちゃんと知っていて、そのCM対象がどのようなマーケティング戦略に則ったPR戦略を実施しているのかも、完璧には分からなくても、外的にアウトプットされている各種PR物をちゃんとリサーチした上で推察する必要があると感じるわけです。でなければきっと、超絶表層的でクソ浅い楽曲になってしまうんじゃないかと思うんですね。いや、せっかく作るんですから、滝本さんもおっしゃっているように実際のオフィシャルな方々に聞いていただいた場合に面白いと思っていただけるレベルにはしたいじゃないですか(実際そう簡単に採用なんてされないまでも、少なくとも喜んでもらいたいですよね)。そのためにはやはり、そのCM対象のことをこんなに知ってくれているのかと思っていただけるレベルでのリサーチは「はじめの一歩」と思います。
 そしてさらに、そのCM対象に対して自分自身がなんらかの思い入れを持っていることも重要になるかもしれないと思います。単純に言えばそのCM対象が好きだとか、自分もよく買って使っているとか、もっとディテールを考えれば、そのどこがどんなふうに好きで、なにがいいと思ってよく使っているのか、自分の思い出的なものとしてなにかいいエピソードなどがあれば尚いいですよね。そういったことをいろいろ考えて、それも織り込んでみる。すると表層的にただPRするだけではなく、ちゃんと自分の想いが乗った作品になり、またその部分が受けての方々の共感と結びつくかもしれないなんてことも思います。
 さらに他のみなさんはどうなんだろうなぁなんてことも考えてみると、より材料は多くなりそうですね。てか、自分の周りにそのCM対象のユーザーがいたら聞いてみるなんてのもいい方法かもしれません。
 これってこれそのものがもうマーケティングみたいなものじゃんなんて思います。これは訓練になりそうだなぁと思います。

 実際CMソングを作るとなったら、それはそれはいろいろなリサーチが必要になると思いますし、そもそも自分がくわしいものばかりでもないでしょうし、好きなものばかりではないでしょう。まぁ「そんな状況でもちゃんといい曲を書くのがプロってもんだろ」的なことを言われそうでもありますが、とは言えそういった場面にいきなり出くわした時、いきなり多くの思考を巡らしたり的確な行動を取るなんていうことは、誰でもできることではないと思うんですね。そうした場合の訓練には最適だと思います。
 え?「CMソングの発注なんて来るわけないって?」。いやいや分かりませんよ。例えばこの「Spinart(スピナート)」で連載記事を書いてくださっているツルタハルさんは、栃木県宇都宮市の卵屋さん「卵明舎」さんが作っているお菓子「エッグドシャ」のCMソングや絵本動画等を作ってたりしますし、どのようなご縁が舞い込んでくるかは分からないものですから。

 それに面白いじゃないですか。実在の商品や企業等のCMソングを勝手に作っちゃうんですよ。そしてそれがこの滝本さんの「カルピス」のようにとても面白い作品になっていたら、ひょっとしたら突然本当にその商品やその企業とのご縁ができてしまうかもしれない。いきなりTV CMに採用されなかったとしても、そのオフィシャルX(旧Twitter)等で面白がってくださったら、それだけでも本望ですよねw そしてそれをいろいろな商品や企業でやったら、もしかしたらいずれ本当にCMソングの仕事になるかもしれませんもんね。
 「そんなに簡単じゃねぇだろ?」…いや、それは本当にその通りと思いますし、現在プロとしてそういった楽曲製作のお仕事をされているみなさんだって、それはそれはいろいろな苦労もしつつ作っていらっしゃることとは思いますが、しかし、しかしですよ? やはりそのCM対象を本当に好きだということが伝わるような作品が作れたら、それは、仕事で作っているものとはまた違う味が出せそうじゃないですか? そこに勝機があるように思うんです。好きだからその商品にくわしい。好きだからもっと知りたい。好きだから自分なりの思い入れがあってそれが曲中にも表現されている…とかね。
 まぁ滝本さんの思いは取材できてませんが、しかしこの曲を聞く限り、きっと「カルピス」好きで、「カルピス」のことをよく知っているということは伝わりますよね。

 こういう曲の作り方って本当に正直考えたこともなかったんですが、ホント、やってみたら面白いことになりそうだなぁと思いまして今回書かせていただきました。曲作りをしていらっしゃるみなさん。是非みなさんもこういったアプローチ、考えてみてはいかがでしょう。考えてるだけでちょっと楽しくなれちゃうかもしれませんね。


「Spinart(スピナート)」では、活動・運営・ブランディング・プロモーション等相談も受け付けています。
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「カルピス」ラジオ わくわくWOORKStyle 今月の楽曲:インディーズアーティスト 2020/5/10

「カルピス」を紹介させていただいた際のラジオ音源です。
本当に面白い曲ですからぜひお聞きいただければと思います。

ツルタハルさんの「卵明舎」さんのお菓子「エッグドシャ」関連はこちら

ツルタハルさんの「卵明舎」さんのお菓子「エッグドシャ」関連はこちらの記事からご覧いただけます。
お菓子のイメージソング〜卵明舎エッグドシャ〜
朗読を録る〜エッグドシャの物語〜
物語を制作する〜エッグドシャの絵本〜
※ツルタハルさんについてもいずれ書かせていただきますのでお楽しみに!

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