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Logo Mark脳内伝言板atelier Shirasuna 完成! 2

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

二十代前半人生は一度きりだと腹をくく...

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アートにおいては制作環境を整える事がとても難しいのではないかと思う。唸るほどお金があれば苦も無く環境を整える事は可能だろう。だが大半は仕事をしながらや家庭をかかえながら自力でやっているのではないかと思う。

私の場合、コネも財産も頼る親族も殆ど皆無の中、アートに出逢った。創りたいものしか創らないという事は、創りたくなるとその衝動は止められない。今ならそれがとても大切な事だとわかってきてはいるものの、振り返ると当時の状態で良く創っていたなと思う。

元々はアクセサリーや小物を制作することが殆どだった。それだけなら当時住んでいた部屋と軒先があればすむのだが、次第に大きな木彫刻を制作したくなっていった。こうなるとかなり話が違ってくる。それなりのスペースが必要になってくる。またチェーンソーの音とベルトサンダーの細かい木の粉は風に乗りかなり広範囲まで飛んでいくので、近隣の状態がかなり重要になってくる。

あと問題なのは売れる見込みが全くないもの(売るつもりで制作していない物)や、この先どれだけ続けられるんかわからない物の為にアトリエをかりるというのは食べるのがやっとの駆け出しの作家にはリスクが大きすぎるというかリスクしかないように思えた(笑)。
無理をすれば自分で自分の首を絞めてしまうので簡単な問題ではなかった。

それでもやりたい気持ちが強く、狭い場所をシートで囲む等工夫しながらも結構無理やり推し進めていた。そうやって制作発表しているとありがたいことに制作場所を無料で貸してくれる方が現れてきた。それは庭先だったり畑の隅っこだったり色々だった。それでも騒音の問題やほこりの問題はいつも気にしながらの制作だった。中々根を詰めての制作が難しい。それでも本当にありがたかったのを覚えている。そういう方々のおかげで今があるのだから。

何年かして農家の倉庫を貸してくれる方が現れ、ようやく自宅(この時は古い借家に住んでいた)以外の屋根付きの作業場ができた。
オーナーはとてもアートに理解があり面白がってくれていた。かなりぶっ飛んだ方で、気に入ったものがあると購入もしてくれた。出来たてほやほやの作品を見れるのがとても楽しいといってくれ、私の中でも一つのバロメーターみたいなものであった。大きな彫刻を制作するときは山の畑の開いた場所を使わせてもらっていた。ここにはミニユンボがあったのでとても助かった。切ったばかりの丸太は水分も多くメチャクチャ重たいからだ。あと発電機も中古(1万円くらいだったと思う)のものしか買えなかったので結構苦労した。古い道具はそれなりにトラブルも多いいからだ。彫刻する前にまずはエンジンのメンテナンスから始ねなければならない、そんな環境だった。チェーンソーも中古品これもまた中々トラブルが多く整備に使う時間が結構長かった。

おかげでチェーンソーの持つ独特の魅力にも気が付いた。私は20歳くらいの時モトクロスにハマった時代があった。ハイエース(車)にモトクロッサーを積んでモトクロスコースへ行ったり何度かレースにも参戦したりもしていた。何が言いたいのかというとチェーンソーのエンジンはレース用のバイクのエンジンと同じくらい高性能で、めちゃくちゃピーキーなのだ。またキャブも特殊で本体を倒しても使えるという優れもの。

バイクのメンテナンスやあと昔鉄道関係の仕事でディーゼルエンジンの電車の運転と整備をしていたりもしていたのでそういった事がかなり役にたった。経験には本当に無駄がない。

チェーンソーといえば伊豆に凄いマニアックな人がいて古いチェーンソーをヤフオクで落札し、それを直して売っているのだ。私もこれまでに2台購入させて頂いている。たしかドイツ人でS氏。本職は多分翻訳等している。元々薪ストーブの為に、必要にかられてチェーンソーを買ったのが始まりでハマってしまったそうだ。私が行った時はチェーンソーが200台位置いてあった。元々ポルシェかなんかに乗っていてそのガレージだったらしいが、いつの間にかチェーンソーのガレージになっていったそうな(笑)ほんと世の中色々な人がいる。

古いチェーンソーでも元々高価なものばかりなのでメンテナンスが良ければかなり調子いい。ドイツの人なのでスチール製のチェーンソーが多かった。スチールのチェーンソーは見た目がなんだかカッコ良く見える。日本でチェーンソー買うなら大概ハスクバーナーを買う人が多いと思うのだが、私は何だかスチールに惹かれるものがあった。
これはあくまで私の個人的感想だが、大きな違いは高回転型のハスクバーナーかトルク感がある切れ方をするスチールかみたいな感じとハスクの方がメンテナンスが楽という所が大きな違いかな。
ちなみに今私が使っているのはスチール1台ハスクバーナー1台マキタ1台 他1台の4台を必要に応じて使い分けている。刃の長さとか排気量等で用途がいろいろと変わってくるからだ。どれも中古品を格安で譲り受けたものばかりだ。
そういえば先日知人の彫刻家の所で電気チェーンソーを試させてもらったんだがこれが凄かった。昔は電気のチェーンソーはあまり実用的ではないなと思っていたのだが、時代は進むものでマキタの2万円以下の物らしいが全然ストレスのない優れもの。当然ながらボタン一つでスタートするのとエンジンより軽いので取り回しが楽。今はアトリエに電気が来ているので近い将来一台あってもいいかなと思案している。
いつの間にかチェーンソーの話になってしまった。

とにかく制作に入る前の道具のメンテナンスの方が時間がかかったが、投資できないので時間を使うしかない。まぁその辺は今でも変わらないが…。

atelier Shirasuna完成! 3へ続く

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

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