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なにか創るとうれしくて事例-4DT~まずは名前決定プロセス

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者


1966年、栃木県生まれ。

株...

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 さてここで具体的な事例をベースに、その過程でどんなことを考えていたのかというようなことを書いてみましょう。それには、ここ最近でもっとも難産だった名前とロゴを例にするのがいいかなと思います。
 ここ最近でもっとも難産だった名前とロゴ…実はこの「Spinart(スピナート)」を運営している会社、「株式会社4DT」の名前とロゴがけっこうな難産だったので(苦笑)、その決定プロセスについて振り返ってみましょう。
 もちろんですが、名前云々のかなり前から、どのようなことをどのようにやるか等々についての検討は始めていたので、名前決定の段階に至った時点で、おおよその事業方針や直近のステップ等についてはほぼ決まっていました…まぁこれは普通の流れと思います。とはいえここではそのプロセスを割愛し、「4DT」という名前が決まるまでについてのみ記載したいと思います。

 まず木村稔さんからそろそろ名前が必要というリクエストをもらい、それではまず候補を出そうということになりました。その際考えていたことはまだ比較的シンプルに以下の程度のことです。
・事業サービスの名称ともリンクする。
・あまり奇をてらった名前では無い方がいいかな。
 その上で考え始め、考案した候補数は約60ほどでしょうか。その中から15ほどを稔さんに見てもらいました。

 15もの候補を出すのは正直多いです。こういったことの決定プロセスとしてはかなり邪道と言えるでしょう。なぜそんなことをしたかと言えば、実のところ自分でもその中に決定打を見出すことができなかったからです。つまり、この15の候補を見せて、稔さんの反応が知りたかったという次第。要は今一つ自信が持てなかったんですね(苦笑)。
 さてそれではこの15の候補、どんなものがあったのか、その中でも代表的な傾向が見えそうなものを挙げてみましょう。

1. 名前合体型
 私の名前と稔さんの名前を合体させてなんらかの意味を成すものにした名称です。2つの要素の合体によって新しい意味ある言葉にならないかなという方向で考えたものです。
 例えば「ミートユー(Meet You)」。英文として「あなたに逢う」というような意味になりますが、実は稔さんが長年使ってきたニックネームが「ミー(MYE)」で、自分は「ゆう」とか「ゆうちゃん」と呼ばれることが多かったので、それを合わせてみた次第。
 その他同系のものとしては「アクアツリー(Aquatree)」…清水の「水」と木村の「木」ですね…なんてのも考えました。

2. 事業表現型
 これまでに考えてきた新会社の事業を考え、その意味づけするものとして考えた名称です。なのでこちらは捻りなくストレートなものが多かったかなと。
 例えば「エクスプレッサーズ(Expressers)」や「センダーズ(Senders)」のようなもの。

3. 既存名称連動型
 これまでにある他の有名な名称に引っかけて考えた名称です。これはもう、なにかに「乗っかる」ことで、その元ネタが好きな人にはちょっとニヤリとしてもらえるという方向性です。まぁかなり諸刃の剣な手法とは思いますが…。
 ここではそうですね、「リヴィング・オン・ア・プレイヤーズ(Livin' On A Players)」…元ネタはBon Joviのヒット曲ですね…とか、「インディビジュアリスト(Individualists)」…佐野元春のアルバム収録曲ですね…とかですかね。

4. 過去実績連動型
 私と稔さんがこれまで一緒にやってきた過去実績の名称に引っかけて考えた名称です。
 例えば「ドラート・ヴァジーナ(Dorato Vageena)」。これ、イタリア語で「金色のヴァジーナ」という意味なんですが、以前一緒にやってたバンド「クリムゾン・シャア」に引っかけてと考えると、知ってる人ならすぐピンとくるかなと。
 その他、ちょっと方向は違いますがやはり「クリムゾン・シャア」に引っかけた「クリシャ(Krissha)」なんていうのもありました。

 これに対する稔さんの意見は以下のようなものでした。
・普通名詞でない方がいいかもね。
・その手法として、崩す、つなげる、綴りを変える等考えてみては。
 この辺の話は、稔さんが以前代表を務めていた「ニジ・ボックス」という会社の名称決定プロセスの話などを例に、まずは方向性と手法についてディスカッションしました。

 で、さらにガツガツ考えます。この段階がもっともいろいろな案を考えた段階でしたが、もういくつ考えたか分からないくらい。メモをザッと見るだけで100は超えてそうですね。もう数えるのも嫌です(苦笑)。
 今はホント、ネットがあるのでそれでも随分と楽にはなりましたが、ホントにいろいろな要素について考えるので、各国語の辞書だけでなく、歴史、神話、映画、その他諸々の資料もかなり読んだりしました。
 以下、考える方向としてはちょっと面白かったかもと思うものをいくつか挙げてみましょう。

[ メイキングロー(Makin'Glow) ]
 直接的には「光を作る」というような意味ですが、裏設定としては牧悟郎(マキ・ゴロー)という生物学者の名前をもとに発想したなんていう代物です。
 ファンの方ならピンときますかね。牧悟郎(マキ・ゴロー)さん。そう、映画「シン・ゴジラ」に出てきたあの教授ですね。
 なぜ「シン・ゴジラ」かって?…単に自分が大好きなだけなんですけど(苦笑)。

[ メイヴ(Meyv) ]
 これはある文章を作成し、その頭文字を繋いで読める単語に組み上げるという手法を用いたもの。この候補では「Mind expresses your value(心はあなたの価値を表現する)」の頭文字を組み合わせてます。
 この手法だと、もとになる文章がそのままキャッチコピー的にもなるので、後々いろいろなところで使えたりして便利。ただし、そのパターンはそれこそ無限にあるし、また、ちょっと表現に工夫を入れないと一つの単語として読めるようにならないことも多いので、パズル的な頭を悩ませる手法でもあります。

[ ベンザイ(Vent-XI) ]
 これはかなり捻り技です。
 まず欧文表記が素直ではありません。「XI」はローマ数字で「11」ですが、英語読みすれば「ザイ」になるということですね。
 意味もやや面倒。
 まず音からすぐに「弁財天」を連想いただけるかなと思いますが、弁財天は芸能音楽の神ということもあるので、アート系のシンボルとしてはアリかなというところ。しかしそれだけではちょっと弱くて(取って付けた感というか)、さらにもう一重ねとしては、会社の事務所がある江ノ島の江島神社が日本三大弁天で、さらに、かつて稔さんと自分が長年住んでいた吉祥寺の井の頭公園内の神社・井の頭弁財天もかかってくるかなと。
 しかしじゃあ「vent」ってなによ、ということなんですが、この単語には「表現する、発言をする」という意味もあるので、じゃあ「11の表現」という意味にできるねと…あ~説明が長い…だから不採用になったんだろうなぁ(苦笑)。

 なんて感じでいろいろな候補を出して、その中に採用された「4DT」や「Spinart」があったという次第です。
 長くなってきたのでそろそろこの辺でとは思いますが、書いてて自分でも、いろいろ回り道してるなぁと思います。
 でも考えるってその回り道が楽しかったりしますもんね。みなさんも是非いろいろ考えてみてください。ちなみに「4DT」は「For Deep Thinkers(深く考える人のために)」の頭文字ですから。

 さて次回は、もっと苦労した「4DT」のロゴ作成のプロセスについて書いてみましょうかね。お楽しみにどうぞ。

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※ちなみに写真は、栃木県宇都宮市で何年か前に撮影した枝垂れ桜。
※使用カメラ&レンズ:Canon EOS 50D + Sigma 10-20mm F4-5.6 EX DC HSM / EX DC

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