[ Spinart(スピナート) ] - あらゆる表現者・アーティストと出逢えるサイト

Logo Mark連載記事

Logo Mark脳内伝言板石に心奪われて 4〜巨石巡り

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

続きを読む

2012年、2013年、2014年の3年間、新制作展という公募団体に彫刻作品を出品した。3回とも入選する事が出来た。これはこれでいつか書く事が出来たらなにか書こうと思う。この展覧会は入選すると六本木の国立新美術館で行われる展覧会で作品を発表することが出来る。またその後、京都市美術館でも巡回展があるというもの。今回のお話は、2013年の10月下旬展覧会を終えて搬出の為に京都へ向かったその帰り道のお話。
せっかく京都まで行くので、琵琶湖周辺や大阪周辺なんかに足を延ばしたりと、この展覧会の後はいつもそんな感じでフラフラしていた。2013年は京都のお寺や奈良の遺跡めぐり、それと奈良付近にある巨石群を巡ってみようと思いたち実行してみた。

軽バンに2mくらいの大きな彫刻を乗せているので、寝るのは僅かな隙間に潜り込むように寝ていた。基本的に、横になれれば狭くてもそれほどストレスなく眠れる質なのでこの時も結構快適???に旅を楽しむことが出来た。

思い返せば中学校の修学旅行が京都・奈良だった。
今回も京都のお寺や嵐山等、何か所か巡った後、奈良へと向かった。京都も良いが奈良ののどかな感じの方が私にはしっくりくる。

まずは亀石。当時(修学旅行)も亀石を見たのだけれど、いつ何の目的で作られたのかはなぞらしく…。ただ石を彫るというのは普通に考えて結構重労働というか手間のかかるものだが、人類は、昔から硬い石に思いを刻んだり、形に託して何かを伝えたり、やはり「永遠」というものに強い関心があったんだろうなぁ。それは現代に生きる私にもそういう気持ちはあるので理解出来る。元々そこにあった石が亀に見えたのか、それとも何かの崇拝なのか。畑の中に、大きな亀だなぁ。カエルにも見えてくる。

また明日香村とかって、地名からしてカッコいいというか魅力的だったりもする。交差点や道路わきに、時々地名の標識とかあるけれど、何かしらの由来があるので、そういう事も非常に興味深かったり、面白かったりする。以前旅の最中、1分という標識(多分地名だと思う)があってしばらく進むと2分という標識があった(笑)。

亀型石造物(新亀石)。
こちらは、2000年春に発見された水辺祭祀場の遺構なのだけれど、やっぱり亀なのね。何か崇拝があったのだろうか? それにしてもこんなものが埋まっていたと思うとなんか不思議だ。頭では長い年月をかけて灰や塵が堆積して埋まっていく事は理解が出来るのだが、いざ遺跡を目の前にしてこれが土の中から長い年月を経てまた地表に顔を出している。そこには発掘に携わる人々の思いも相まってなのか言葉では言い表せない何か不思議なものを感じたなぁ。7世紀中頃建造らしいがこちらも謎の多い遺構のようだ。それにしてもこんな庭が家にあったら素敵だ。

軽い気持ちで巨石や遺構を巡ろうと思いたったのだが、想像以上に面白くなってしまった。天気に恵まれた事もあり、もう一日もう一日と時間は過ぎていく。搬出の後1〜2日くらい遊んで帰るつもりだったのが結局一週間もブラブラしてしまった。お金はないけど時間だけはあったなぁ。まぁ帰ってからやる事が山積みなんだけれど。

そして酒船石。

ちょっとした丘なのか竹藪の細い道沿いにある。あまり飾らない感じがまたいい。7世紀に造られたものらしい。5mくらいの大きな一枚岩に、丸い皿みたいなものが幾つか掘ってありそれが溝で繋がっている。酒を造る為なのか、あるいは薬などを造るための物なのか、諸説あるみたいだがどれも定かではないらしい。庭石説なんかもあるみたいだ。しかも江戸時代にお城を築城するため石垣用の石材として利用しようとしたらしく、石割用の石鑿の跡が見られ、上面の造形が欠損しているとの事。もしかして残っているのは奇跡的なのか。江戸時代の人からすれば何か良くわからないものが石に彫ってあるけれどちょうどいいから切って使うかー、みたいな感じだろうか。以前畑から古い焼き物が良く出てくるんだけれどまさか縄文時代のものとは思わず、ご先祖様がガラクタを畑に埋めたのだと思い、出てくるたびに向いの川に縄文土器を投げ捨てていたなんて話を聞いたことがあったけど、そんな感じだろうか…。それにしてもなんと魅力的な遺跡だろうか。美しくそしてロマンを感じる。

猿石。
1702年(元禄2年)に梅山古墳の付近にあった平田村池田という場所の田んぼから掘り出されて古墳の南側に置かれていたが、明治初年ごろに現在の場所に移されたらしいとのこと…。畑耕してたらこんなもんが出てきたらビックリ&大興奮だろうな。

4体の像にはその外見から左から順に『女』『山王権現』『僧(法師)』『男』とそれぞれに愛称がつけられているが、私はいまいちピンとこなかった。しかもどう見ても猿じゃないし…いや確かにむりやり猿っぽいけど。猿ではなく渡来人を象ったものであるといわれているらしいけど…人間ぽくないのもあるし…やっぱ猿なのか??? それとも異星人なのか??? 誰が何のために彫ったのか、なんで埋まってるのか等、考えてもわからないけど…なんか楽しい。この石造をみて私は何故だか円空を強く感じたなぁ。

石に心奪われて 4〜巨石巡り2へつづく。

TOP写真は酒船石です。


石に心奪われて
石に心奪われて 2
石に心奪われて 3
石に心奪われて 4〜巨石巡り
石に心奪われて 5〜巨石巡り
石に心奪われて 6〜巨石巡り

新亀石

亀型石造物(新亀石)。
7世紀中頃建造らしいが謎の多い遺構。

猿石

猿石の中の一つ「山王権現」。

この記事への感想はこちらへどうぞ

この記事への感想を送る


白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

続きを読む