2022/12/23
静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。
20代前半人...
水の記憶。
ある時、石の海岸を歩いていると線の入った石が気になる。
良く見ると意外とあるものだ。なんとなく並べてみると、凄く楽しい気持ちが湧き上がって来た。これを何とか形にしたいなぁと思い、砂に埋め込んで、石の白い線を通すように一列に並べてみた。これが【水の記憶】の始まりだった。それをセメントで固めて壁に掛けてみたくなった。重いものが壁にかかり、取り外し可能であるようにするのは、結構やっかいかなと思ったが、思いのほかすんなり出来た。いつも初めての経験、いわゆる新しい事をするので強度や最終的な治まりはやってみないとわからない事が多い。言い換えればやってみればわかるので試行錯誤する事は私にとって結構楽しい。
白い線の入った石を一本の線を通すように並べる事によって、私の中で、水の循環をイメージする事が出来た。線と言っても線の太さや入り方はまちまちなのだが、ある程度同じような雰囲気の石や、全然違う質感の石でも、並べる事によって美しさが相乗するような石を組み合わせていく。これがまたやってみるとかなり楽しい。石だけではなく木や金属なども埋め込んでみたりもした。何というか一つの画面に色々な素材を自分の持つ美意識をもとに、チューニングするような感覚で置いていく。
最初は線を直線的に並べていたが、次第に直線ではなくても一本のラインを感じる石を並べたりし始める。こうなってくると、とめどなく色々なことを思いつく。やがて線が入っていない作品も創り始めた。イマジネーションが湧くような模様の石と、それと同じような雰囲気の石を幾つか並べる事で、私の中で、大きなイメージを生みだしていった。作品によっては、模様や質感から私の中で、宇宙のでき方が描かれているような想像が湧き上がってきたりするものも出来たりとなんと楽しい事か。
以前は半輝石(水晶等)や隕石や化石等、珍しい石に心惹かれていたのが、アートに出逢い、より色々な角度から石の魅力に惹かれていった。海や川に落ちているこれまで気に留める事もなかった石が、こんなにも私の気を惹くようになるとは、若い頃は思ってもみなかった。ずいぶん昔に「無能な人」という映画を見たのを思い出した。面白かったのか、つまらなかった、よく覚えていないのだが、なんだか妙に記憶に残っている。水石の話だったと思う。水石というのは木の台や水盤に石を置き、床の間などに置いて眺めるといった感じのもの。以前、水晶等を、水石みたいに立てて飾るための木の台を彫るのにハマったこともあったなぁ。ぼこぼこの石が綺麗にハマるように木の台を彫っていくのだけれど、立て方(見せ方)で随分変わる。展示する為の台だったり、額だったりって、実際には結構重要だ。
何だか良くわからないが、何かの台を創りたくなってきた。こんな感じで創作意欲が湧いてくる。本体を生かすための物で脇役にまわるようなイメージだが、物も引き立ち、台も引き立つというか一体で見せるようなそんなものが創れればいいなぁと思っている。
石に心奪われて4へ続く
Top写真は 水の記憶 です。
石に心奪われて
石に心奪われて 2
石に心奪われて 3
石に心奪われて 4〜巨石巡り
石に心奪われて 5〜巨石巡り
石に心奪われて 6〜巨石巡り
石に心奪われて 7〜巨石巡り
静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。
20代前半人...
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