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Logo Mark脳内伝言板ターザンになりたい〜西表島へ前編

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

二十代前半人生は一度きりだと腹をくく...

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20代の7〜8年間私は放浪生活をしていました。

きっかけはターザンになりたかったという単純な理由でした。
当時はJRの子会社で鉄道工事用車両のオペレーターをしていました。
仕事量は少ない割に結構良い収入があり、また夜勤がある分休みも多くお金を稼ぐという点ではかなり良いお仕事だったと思います。

休みが多く給料もそこそことなると色々な事をすることが出来ました。
バイクが好きで多い時で5〜6台位所有していたと思います。
大型自動二輪や小型船舶の免許を取得したりもしました。
夏は水上バイクやスキューバダイビングを楽しみ冬はスキーとスノボーへよく行きました。
またモトクロスにハマっておりハイエースにモトクロッサーを積んでモトクロスコース等へもよく出かけておりました。

充実したように見える生活をしながらも心の奥底ではいつも物足りず何かがくすぶっていることを感じていました。
ただそういう気持ちにどう向き合ってよいのかも分からず、それでもただ興味がある事をもがくように試していたことを覚えております。

数年そんな暮らしをしていて色々思い悩んだ結果、中途半端なのがいけないとしか考えられなくなっていきました。バイクに乗るなら仕事している暇ないし、ダイビングやるなら毎日潜らなきゃ満たされない。

その時決めたんです。
人生一度きりだからやりたい事しかやらないと。
腹をくくってみると意外とスッキリする感じだったように思います。

そして自分が一番やりたい事って何だろうと考えました。
私は子供のころから本が嫌いで読書を殆どしたことがありませんでした。
そんな私が唯一読んだ本、それがサバイバル読本という本でした。
そんな時偶々西表島というのを何かで知り興味が湧いてしまったのでした。
西表島は島の半分しか道が通っておらずそのほとんどは自然林というかジャングルという事を知り、何を思ったのかターザンになりたいと本気で思ってしまったのでした。

そして退職を申し出たのですがまさかターザンになりたいとは流石に言えず、どうしてもやりたい事があるのでと言い、引継ぎ等すませ無事退職。
といってもやはりいろんな方に迷惑をかけたと思います。
新しい事をやるには自分や周りの方、その他様々な犠牲を伴うという事もこの時痛感いたしました。

夢と希望というよりも殆ど不安しかなかったので色々な人に言って歩き、後には引けないように自分を追い込み、有言実行作戦をしたのをよく覚えております。

ただチャレンジしてみたかった。小心者の自分を変えたかった。
笑って死ねる人生にしたかった。いかしたおやじになりたかった。etc

様々な事を考え悩む中で一つだけ確信していたことがあります。
それは、今やらなければ後悔する…。今思えば本能的に感じていたのだと思います。
もしそれをやらずにサラリーマンを続けていて、いつか旅する若者に出逢った時、自分をごまかし続けることが出来るだろうかとも思いました。

結局自分をごまかすのがイヤだったんですね。
会社に行って建前や見栄で自分の心を抑え込む事が。
そういう気持ちに気付いてしまったらもう後戻りはできないし何より自分にしかできない生き方に憧れていたのだと思います。

いろんな経験をしたことで今ならはっきりわかるし、踏み出すことの価値もだいぶ見えるようになったと思います。でもそれって頭でわかってできるものではないということも同時にわかるようになりました。思い悩みながらも生きた経験をすることの大切さ、自分の責任で決断する事の積み重ねで見えてくる事なのだと思います。

次回に続く。
次回はいよいよ西表島上陸です。


前回ご紹介した文章をまとめた本 BRAIN1キノウミタリュウより

【むき出しの表現】
通常鎧を固めるのに対して
作家は一枚一枚自分の殻を脱ぎ捨てる
すべてを脱ぎ去り
うすかわを一枚ずつそぎ落とすように自分と向き合う
そうやって生まれる
               白砂勝敏

白砂式花器【碧玉(あおだま)】

陶器製の一輪挿しです。

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

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