Logo Mark連載記事

Logo Mark脳内伝言板地図のない旅 (14) 屋久島へ

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

二十代前半人生は一度きりだと腹をくく...

続きを読む

「屋久島」 何とも言えない言葉の響き。島の名前だけでも引き寄せられそうな感覚を受ける。島国日本。調べてみると沢山の島がある。旅をしているとその中でも引き寄せられてしまうように行ってしまった島が幾つかあった。屋久島もその一つだった。

沖縄をめぐり九州からフェリーに乗って屋久島へ上陸。

取り合えず相棒のオフロードバイク(TS200)を走らせ海岸沿いにある無料の温泉露天風呂を目指した。海岸に割と大き目な石組のお風呂がただあるだけだったと記憶している。結構大きくて開放的。最高のロケーション。

しばらくすると若者と初老の男性が2人入ってきた。

なんだか話は盛り上がり成り行きで、初対面ではあるが初老の男性の家へ泊めてもらう事になった。聞けば一緒にいるもう一人も旅人で先ほど出逢って泊る事になったという。

実は、以前出逢った旅人に、屋久島に笛を吹いている仙人?みたいな人がいたと聞いた事があった。縁があれば逢ってみたいなと思っていたのだが、話の内容から、この初老の男性が噂の仙人?である事に間違いない。いきなり仙人?と出逢う(笑)。

さっきまで風呂に浸かりながらさぁどうしようと思っていたのがうそのようだ。旅の醍醐味というのか、人生の醍醐味。生きていると沢山の出逢いが巡ってくる。その出逢いを良いものにするのか悪いものにするのかは総て自分自身の判断や対応次第ではないかと最近は感じている。

結局そのまま10日くらい泊めてもらったような気がする。仙人?は庭のような山で育てた野菜や山菜、あとどっかでもらってきたというサボテンを増やしながら食べていた。たまに笛が売れると小麦粉等を買いダンゴにして鍋に入れていた。一宿一飯のお礼というか仙人の家にテラス(屋根)が欲しいというので、当時既に大工仕事の経験があったことから、作る事になった。仙人と2人で山から木を切り出す所からスタートし大した道具もない中での作業だったんで3〜4日かかったように記憶している。無事完成すると、これで雨でも外の仕事ができると喜んでくれた。

仙人は元々プロのカメラマンだったらしい。まだフイルムカメラの時代に都内の有名なビル(どこか忘れたが聞いたことあるビルでした)の避雷針に雷が落ちる写真を撮影したという。その時自分の中で何かのスイッチが入ってしまったらしい。その写真は有名週刊誌に売ったらしいが、それと共に俗世間から人のいない長野県の山奥に移り住んだのが始まりで、今は屋久島に流れ着いたという事だ。住んでいた家は山間の小さな神社を管理するための小さな家があり確か神社を管理するという名目で住んでいたように記憶している。まぁ世の中色々な人がいる。
仙人は天吹(テンプク)という尺八を小さくしたほとんど知られていない幻の楽器を主に得意としていた。
※天吹(テンプク)とは鹿児島に伝わる長さ30cmほどの布袋竹(ホテイチク)製の縦笛です。

その他にも尺八や篠笛なんかも吹いていた。滞在中私も一緒に竹を取りに行ったり、天吹(テンプク)を制作したりもした。今考えると大変得難い経験をさせて頂いた。

笛と言えば当時私はオカリナにハマっておりいつもオカリナを持ち歩いており、仙人の管理している神社でもよく吹かせて頂いた。蝋燭に浮かぶ境内で吹く様々な笛の音はとても神秘的であり感覚は研ぎずまされていく。おどろおどろしさはなくむしろ浄化されるような感じだったと思う。

オカリナと出逢ったのは西表島の砂浜だった。ある日砂浜を歩いていると一人の女性(キャンパーのモモコさん)が砂浜でオカリナを吹いていた。夕暮れの砂浜にピッタリな優しい音色だった。
西表島から、たまに日帰りで石垣島の図書館に食べられる魚や植物、あと正常なんだが異常な程綺麗な星空についても興味をそそられていたのでそういうものを調べに行く事があった。その時石垣島の楽器店でオカリナを購入した。その後暇さえあれば吹いていたな。一時はオカリナも幾つか制作してみたりもしたが、ここ何年も触っていない。まぁ今後何か展開があるかもしれないが…。

話は戻って屋久島。
数日仙人の所で過ごし屋久島の山の中を縦走しようと荷物をまとめた。

屋久島へ2に続く〜

※TOPの写真はアクアマリンのペンダントトップです。


【楕円コンパス】

カベから飛び出したエビの尻尾を
食うか食わぬか 問いかけられた俺に
走ることをやめない 竜馬が睨む

降りてくる感覚と 去っていくモノたちと
空気を読んで打ち壊す
そうやって聞き取った声の波に乗る一握りの戦士よ

大切な物を 他愛のないモノの為に切り捨てる
こんなに自由で良いのかと
イヤもっと自由でいいのだと

一匹狼が徒党を組んだ朝に 月は蒼に沈み
それまで噛みつく事しか出来ぬ牙が折れた

やりたいことしかやらないと決めた日から
人と争うのもやめた

楕円を描くコンパスと時間濃度をあげるすべを手に入れた時
錆びた傷口から小さな緑が生まれた

           K.shirasuna

【SiO2パレット】

金属 メキシコ産アメジスト等

この記事への感想はこちらへどうぞ

この記事への感想を送る


白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

二十代前半人生は一度きりだと腹をくく...

続きを読む